1. |
デラウェア州株式会社の主な特徴 | |
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1.1 |
商号・会社名 米国デラウェア州で設立された株式会社の商号は、company(会社)、corporation(会社)、club(クラブ)、foundation(財団)、fund(基金)、incorporated(会社)、institute(協会)、society(協会)、union(ユニオン)、syndicate(企業連合)、またはlimited(有限責任)、あるいは前述のいずれかの略称を含めなければなりません。 使用予定の会社名は既存の会社名、または予約済みの会社名と同じ又は似ていることができません。 |
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1.2 |
資本金 米国デラウェア州一般会社法は、株式会社の資本金に対する特別な制限がなく、資本金の額は株主が任意に決定できます。注意すべき点としては、デラウェア州のフランチャイズ税(Franchise Tax)は会社が発行する株式数によって異なります。そのため、会社を設立する際は、条件が許す限り必要な株式数だけ発行することをお勧めします。一般的には、株式数を5,000株以下と設定すると、最低額のフランチャイズ税だけ納付すればいいです。もし会社はより多くの株式を発行する必要がある場合に、発行予定株式数を基準とする方法(Authorized Shares Method)とみなし額面資本を基準とする方法(Assumed Par Value Capital Method)を比較して、比較的低いフランチャイズ税を算出した方法を今後のフランチャイズ税の計算に使います。この2つの計算方法についての詳しい説明は後述します。 |
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1.3 |
株主 デラウェア州一般会社法上、株式会社の株主に特別な制限はありません。株主は一名又は複数の法人・団体又は自然人になれ、かつ株主の国籍にも制限がありません。 |
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1.4 |
発起人 発起人(Incorporators)の主な役割は設立証明書(Certificate of Incorporation)を提出することです。設立証明書には発起人の氏名と住所を明記する必要があります。デラウェア州で設立されたあらゆる会社は1人以上の発起人が必要です。発起人は自然人または法人になれ、デラウェア州の非居住者になることもできます。 |
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1.5 |
取締役 米国デラウェア州一般会社法により、会社の取締役が自然人でなければならないと規定されるほか、取締役にその他制限はありません。一般的に、会社の初代取締役が株主によって担任されますが、会社法は取締役が会社の株式を所有しなければならないことを要求していません。取締役の居住地と国籍に制限がなく、かつ米国市民や永住者である取締役の人数が要求されていません。つまり会社の取締役はすべて外国人でも可能です。 |
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1.6 |
登録代理人と登録住所 一般会社法により、デラウェア州で設立された株式会社は、会社に代わってその法律文書を受け取るデラウェア州における登録代理人(Registered Agent)が必要です。登録代理人はデラウェア州に居住している個人または現地法人によって担任されることができますが、デラウェア州での物理的な住所を有しなければなりません。啓源はデラウェア州における登録代理人を提供することができます。 |
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1.7 |
設立証明書 設立証明書(Certificate of Incorporation)は会社設立登記後、デラウェア州の州務長官室から発行される法人設立の正式な文書です。 デラウェア州で会社を設立する際、会社の発起人はデラウェア州の州務長官室に会社登記の書類を提出し、かつ登記料を支払う必要があります。デラウェア州の州務長官室は登記書類を審査し、問題がなければ設立証明書(提出日と番号のある印鑑が押された)を発行します。啓源は設立証明書の参考用のテンプレートを提供しています。 |
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1.8 |
付属定款 付属定款(Bylaws)は、会社の内部管理制度であり、州務長官室に提出する必要がありません。付属定款は会社内部の組織構造、職能区分、スタッフの任免などに関する規定を含んでいます。デラウェア州の法律に基づいて付属定款を作成しなければなりません。最初の付属定款は取締役又は発起人によって署名されていなければなりません。 |
2. |
株式会社とLLCの比較 | |
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株式会社とLLCの類似点 | |
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(1) |
有限責任 株式会社でもLLCでも株主(メンバー)が自身の出資額を限度として、会社の債務について有限責任を負います。株主(メンバー)は会社の債務について個人責任を負いません。 |
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(2) |
永遠存続 株式会社とLLCは永久に存続していくことができます。 |
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株式会社とLLCの相違点 | |
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(1) |
税務申告 株式会社(Corporation)は二重課税に直面するかもしれません。具体的には、株式会社は、課税年度ごとに法人税を申告・納付する必要があり、株主は配当金をもらった課税年度に当該所得に対して納税する必要があります。但し、株主会社は利益を存して配当しないことができます。会社の発展や運営に使う資金として存する配当可能な未処分利益は最高250,000ドルまでです(パーソナル・サービス・コーポレーション(Personal Service Corporation)は最高150,000ドルまで)。この方式で株主は当該部分の金額に対し個人所得税を納付する必要がなくなり、一時的に二重課税を避けられます。もし会社は250,000ドルを超える未処分利益を存する場合に(パーソナル・サービス・コーポレーションは150,000ドルを超えた場合に)、制限を超えた分に対して税金を支払い、且つ20%の追加罰金を支払う必要があります。 その一方で、LLCはメンバーが2名以上の場合には、パススルー事業体(Pass-Through Entity)とみなされます。LLCは、所得税申告書を提出する必要がありますが、所得税を納付する必要がありません。収益が分配されたかどうかにかかわらず、LLCの収益はすでにメンバーの所有持分によってメンバーにパス・スルーされました。具体的には、LLCは利益が出た場合、メンバーは収益を受け取っていないとしてもLLCの利益に対して納税する必要があります。同様に、LLCは損失が出た場合に、メンバーは個人所得税を申告する時に税額控除を受けられます。 |
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(2) |
管理 株式会社の組織構造が集中しています。株式会社の経営管理は取締役会によって決定され、株主が日常的な運営に参加しません。但し、株式会社のある重要な決定(例えばM&A)は株主総会を通過しなければなりません。 一方、LLCはメンバー自身によって、または雇用したマネージャーによって会社の日常運営を担当されます。 |
3. |
株式会社の設立手続き | |
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(1) |
商号・会社名の確定 使用予定の会社名は既存の会社名、または予約済みの会社名と同じ又は似ていることができません。啓源は類似商号調査サービスを提供しています。クライアント様は自分で会社名のオンライン予約を行うこともできます。 |
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(2) |
会社設立登記書類の作成 デラウェア州会社は、州務長官室に会社設立登記書類を提出し、且つ登記料を支払う必要があります。登記書類はオンラインまたは郵送で提出することができます。 会社設立登記書類は、会社名、デラウェア州の登録代理人及び登録住所、発行可能株式総数、株券の額面金額、発起人の氏名及び郵便の宛先住所を含みます。 |
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(3) |
登録代理人の任命 デラウェア州で設立された全ての会社は登録代理人が必要です。当該登録代理人は設立する予定の会社の代表として法律文書またはビジネスレターを受け取ることに同意する必要があります。 登録代理人はデラウェア州に居住している個人または現地法人になれますが、デラウェア州での物理的な住所を有しなければなりません。 |
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(4) |
会社記録帳 株券、株主名簿、取締役名簿、株式引受人名簿及び議事録等の重要な資料を保存するための会社記録帳を作成する必要があります。当該会社記録帳は株式会社のオフィスに保存されることが必要です。 |
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(5) |
付属定款の作成 付属定款(Bylaws)は、株式会社の内部管理制度であり、内部記録の用途だけです。付属定款がデラウェア州会社設立にとっては強制的ではないが、啓源は付属定款を作成することをお勧めします。なぜかというと、これは会社の管理に役に立ち、会社のコンプライアンス要求を満たすからです。 |
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(6) |
初代取締役の選任 会社の取締役会の初代メンバーは会社設立発起人によって選任されます。取締役会のメンバー交代は株主総会の決議で定められます。会社の発起人は「発起人声明書」に記入、署名し、かつ選任した初代取締役の氏名と住所を明記することが必要です。当該声明書およびその謄本は会社の記録帳にきちんと保存される必要があります。 |
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(7) |
第一回取締役会の開催 第一回の取締役会では、オフィサー(Officer)の選任、付属定款の採択、法人口座の開設、授権株式数、会計年度の設定、株券及び会社印鑑の形式の決定などの意思決定が行わられる必要があります。取締役による決定事項を議事録に記載しなければなりません。 |
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(8) |
株券の発行 多くの州は株券の発行に対する要求がありませんが、小企業は、一般的には紙の株券を発行し、且つ会社の株式引受人名簿で各株主の氏名及び連絡先を記録しています。 |
4. |
株式会社のコンプライアンス | |||||||
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(1) |
年次報告書とフランチャイズ税申告 | ||||||
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デラウェア州で設立されたすべての株式会社は、翌暦年の3月1日までに州務長官に年次報告書(Annual Report)を提出し、且つフランチャイズ税(Franchise Tax)を納付しなければなりません。州外法人(Foreign Corporation)は翌暦年の6月1日までに年次報告書を提出しなければなりません。年次報告書の申告費用は50ドル(株式会社)または125ドル(州外法人)になり、フランチャイズ税とともに支払う必要があります。 予定発行株式数を基準とする方法(Authorized Shares Method)を使う場合、フランチャイズ税の最低額は175ドルとなり、みなし額面資本を基準とする方法(Assumed Par Value Capital Method)を使う場合には、フランチャイズ税の最低額は400ドルとなります。この2つの計算方法で計算したフランチャイズ税の最高額は両方とも200,000ドルであり、大企業の場合が250,000ドルです。想定されるフランチャイズ税が5,000ドルを超える場合に、四半期ごとの納付を行い、6月1日までに40%、9月1日までに20%、12月1日までに20%のフランチャイズ税を支払い、翌年3月1日までに残りのフランチャイズ税をを支払う必要があります。フランチャイズ税の計算については、啓源のコンサルタントにお問い合わせください。 会社は期限内に年次報告書の提出及びフランチャイズ税の納付を行っていなかった場合、200ドルの罰金に加え、毎月税額と罰金の総合の1.5%が利子として科されます。州外法人は期限内に年次報告書を提出していなかった場合に、125ドルの罰金を科されます。 |
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(2) |
その他のコンプライアンス要求 | ||||||
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5. |
株式会社の税務 | |
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デラウェア州では、株式会社の課税所得はデラウェア州で得た所得に限ります。デラウェア州会社は、州外で物品又はサービスを提供することにより得た収入に対してデラウェア州の所得税を納付する必要がありませんが、収入を得た州の所得税を納付する必要があるかもしれません。なお、デラウェア州では売上税(Sales Tax)と付加価値税(VAT)がありません。 デラウェア州で設立された会社は、次の税金の支払いが必要です。 |
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(1) |
デラウェア州法人所得税 デラウェア州において業務を展開する株式会社は、暦年の課税期間を採用している場合には、毎年4月15日までに法人税申告書を提出しなければなりません。デラウェア州の所得税の税率は8.7%です。 |
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(2) |
デラウェア州総収入税 デラウェア州で事業を行い且つデラウェア州源泉所得を得た株式会社は総収入税(Gross Receipts Tax)を納付しなければなりません。総収入税の税率は会社の経営業務の性質によって、0.945%から0.7468%までです。 |
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(3) |
連邦法人所得税 内国歳入庁(IRS)の規定により、全ての株式会社は、課税所得があるかどうかにかかわらず、暦年の課税期間を採用している場合には、毎年4月15日までに法人税申告書を提出しなければならず、延長申請を行った場合には申告期限が10月15日となります。注意すべき点としては、申告期限が延長されたとしても、会社は確定申告書の提出期限(期限延期を含まない)までに納付すべき税額の全額を支払わないと、ペナルティおよび利子が科されます。 |
6. |
州外会社 |
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デラウェア州外で設立されたすべての株式会社は、デラウェア州において業務を展開する前に、必ずデラウェア州の州務長官室に登記書類を提出し、州外法人として登記しなければなりません。また、州外会社はデラウェア州における登録代理人を任命し、且つ当該登録代理人がデラウェア州における物理的な住所を有する必要があります。注意すべき点としては、会社はデラウェア州で州外法人登録を行う前に、設立州が過去6ヶ月以内に発行した会社存続証明書(Certificate of Existence)を提供することが要求されます。 |
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