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米国個人所得税の控除と優遇について(二)

米国個人所得税の控除と優遇について(二)

最初の記事では、教育者費用、個人退職勘定、学生ローンの利息等の調整項目を通じて総所得から特定の費用を控除し、調整後総所得(AGI)を算出するプロセスについて説明しました。これは税額計算の第一歩です。本稿では、次の重要なステップである「控除」について解説します。

調整後総所得を算出した後、納税者は「標準控除」又は「項目別控除」のいずれかを選び、さらに課税所得を減らすことができます。標準控除は納税者の状況に応じて決まり、高齢者や視覚障碍者に追加の控除額が適用されます。項目別控除には、医療費、納付済の州税や地方税が含まれます。本記事では、これらの控除の方法や制限事項について解説します。控除仕組みを理解することは、課税所得を減らし、税負担を軽減するために不可欠です。

  1. 標準控除(Standard Deduction)

    1.1
    項目別控除を使わない納税者が適用される控除額は、その納税者の身分に応じて決まります。

    (1)  独身納税者:2024年$14,600(米ドル、以下同じ)、2025年$15,000
    (2)  特定世代主(HOH):2024年$21,900、2025年$22,500
    (3)  合算申告を行う既婚者又は未亡人:2024年$29,200、2025年$30,000
    (4)  個別申告を行う既婚者(夫婦双方とも項目別控除を使わない場合のみ):2024年$14,600、2025年$15,000

    1.2
    高齢者や視覚障碍者に特化した追加控除

    米国の税制では、65歳以上の者、視覚障害者、又はその両方に該当する納税者に対し、追加の標準控除が認められています。この控除額は、申告状況(独身者又は既婚者)、対象となる人数(1人又は2人)、及び課税年度によって決まります。

    2024年、独身者で65歳以上又は視覚障害のある納税者は$1,950(65歳以上や視覚障害の両方を満たす場合は$3,900)を適用します。合算申告を行う夫婦は、うちの一人が65歳以上又は視覚障害の場合に$1,550(両方を満たす場合は$3,100)を適用します。夫婦2人とも65歳又は視覚障害のある納税者である場合は$3,100(両方を満たす場合は$6,200)を適用します。

    2025年、65歳以上又は視覚障害のある独身者は$2,000(両方を満たす場合は$4,000)を適用します。合算申告を行う夫婦は、うちの1人は65歳以上又は視覚障害の場合は$1,600(両方を満たす場合は$3,200)、2人とも65歳以上又は視覚障害の場合はそれぞれ$3,200(両方を満たす場合は$6,400)です。

    1.3
    被扶養者の標準控除額

    2024年の標準控除額は、$1,300(2025年は$1,350)、又は勤労所得に$450を加えた額(2025年も$450)のいずれか高い方となります。

    被扶養者の標準控除額は、当該課税年度の通常の標準控除額によって制限されます。被扶養者である納税者は、視覚障害者又は65歳以上である場合、他の納税者のように追加の標準控除を請求することができます。

  2. 項目別控除(Itemized Deductions)

    項目別控除は、AGIから控除されるもので、個人所得税申告書(Form 1040)の添付表 Aに記載されます。個別申告をする夫婦は、標準控除又は項目別控除のいずれかを選ぶ必要があります。一方は標準控除を選び、もう一方は項目別控除を選ぶことができません。

    2.1
    医療費

    控除対象の医療費は、医療保険給付額と納税者のAGIの7.5%を超える部分に限ります。その医療費には、納税者本人、配偶者、又はその納税者に依存して生活費の過半数を賄っている扶養家族のために発生した費用が含まれます。

    また、控除対象の医療費には、医薬品、処方薬、医師サービス料、医療上必要と認められた健康保険料、医療施設への移動費用(実際の費用又は内国歳入庁が定めるマイル単価による)、及び障害による費用(例えば、障害者の便利のための住宅の一部の除去工事など)も含まれます。

    控除対象外の費用には、整形施術料金、生命保険料、医療目的以外の資本的支出、フィットネスクラブの会費、及び歯磨き粉、市販薬、おむつなどの個人向けケア用品が含まれます。

    2.2
    州、地方、外国の税金

    州や地方の所得税、不動産税、及び売上税の項目別控除は、合計$10,000が上限となります。2018年から2025年までの課税年度において、貿易又は業務に関連しない外国の不動産税は控除対象外となります。控除対象外の税金には、連邦税、相続税/贈与税、及び添付表 C(事業運営)又は添付表 E(賃貸活動)に記載された税金が含まれます。

    (1)
    州や地方の不動産税

    州や地方の不動産税は控除対象となります。具体的には、売却又は購入年度における按分計算、異議を申し立てて支払われた税金(その後の返還分は課税所得に計入)、エスクロー預託された税金(税務当局に支払われた場合のみ控除可能)、外国の不動産税(事業又は営業活動に関連する場合のみ控除可能)、資産価値の増加を目的として保有する土地(資本化するか控除するかが選べる)、及び事業用としての自宅の一部(添付表 Cを通じて控除可能)が含まれます。

    (2)
    州、地方、及び外国の所得税

    控除対象となる州、地方、及び外国の所得税には、課税年度に納付される予定納税額、給与から源泉徴収される税金、及び課税年度に納付される確定申告された前年度分の税額が含まれます。

    (3)
    州や地方の個人財産税

    個人財産税とは、州政府及び地方政府が納税者が所有する個人財産(車、船舶など)に対して課す税金です。

    (4)
    売上税の選択

    納税者は、州や地方の所得税又は通常の売上税のいずれかを選んで控除することができます。売上税を選ぶ場合、控除額は、実際に支払った売上税の総額又は内国歳入庁の表に定められた金額のいずれか、及び自動車、船舶、その他の内国歳入庁が承認した項目の売上税の合計額として計算されます。

    2.3
    支払利子

    (1)
    住宅ローン利子

    適格債務の最大限度額は$750,000(個別申告をする既婚納税者の場合は$375,000)です。主要住宅や第二住宅の「適格住宅利子」の控除は認められます。専ら事業の用に供する住宅ローン利子は添付表Cで、住宅賃貸事業に関する利子は添付表 Eで申告・控除されることができます。

    適格債務とは、主要な住宅又は第二の住宅の取得、建設、又は大幅な修繕に使われる債務をいいます。当該債務は不動産を担保としている場合に限ります。

    (2)
    投資利息費用(Form 4952)

    個人の投資利息控除は、課税対象の純投資所得を上限とします。投資所得には、利息、普通配当、賃貸料、ロイヤルティ、及び短期・長期資本利得が含まれますが、非課税債券の利息が含まれていません。そのような債券に関する利息費用も控除対象外となります。

    投資利息費用には、受動的事業所得の利息、及び納税者が積極的に関しない不動産賃貸による所得・損失の利息が含まれません。認められない利息は、将来の課税年度の純投資所得と相殺されるまで、無期限に繰り越すことができます。

    (3)
    控除対象外の個人利息(Personal Interest)

    個人利息には、個人向けの銀行ローン、借入金、生命保険契約に基づく貸付金、銀行クレジットカードの残高、自動車、テレビなどの個人財産の取得から生じる利息が含まれます。連邦税・州税・地方税の未納分から生じる利息や、住宅改修に使われない住宅担保ローンからの利息も含まれます。

    (4)
    前払利息(適切な期間に配分する必要)

    前払利息は、支払者である納税者(現金ベースの納税者を含む)が貸付期間にわたって償却する必要があります。

    (5)
    項目別控除の対象外の教育ローン利息(調整項目)

    教育ローン利息は、調整後総所得の計算において調整項目として扱われ、項目別控除の対象外です。


    2.4
    寄付金

    適格団体への寄付金は税額控除対象となりますが、寄付金額を問わず、現金寄付に関する証明書類(取り消された小切手、領収書など)の提出が必要です。寄付者は、損失ペースの財産を寄付しないように注意してください。その原因はそのような寄付に税額控除が適用されないからです。

    現金寄付はAGIの60%までが限度です。公共慈善団体への長期資本利得のある財産の寄付はAGIの30%(民間財団の場合は20%)が上限です。超過分の5年間繰越は認められます。

    寄付金の控除は、受け取った利益の価値を超える金額にのみ適用されます。団体は、商品やサービスと引き換えに$75超の寄付金を受けた場合、控除対象となる部分を明記した証明書を提供する必要があります。

    納税者は、自宅に全日制の学生(交換留学生など)を宿泊させる際に発生した費用について、寄付金として控除を申請することができますが、その学生は12年生以下であることが条件です。控除額は、学生1人が自宅に15日以上居住し学校に通う月につき$50までとなります。

参考情報:
https://www.irs.gov/pub/irspdf/f1040s1.pdf
https://www.irs.gov/pub/irs-pdf/p529.pdf
https://www.irs.gov/pub/irs-pdf/p590a.pdf
https://www.irs.gov/pub/irs-drop/n-23-75.pdf
https://www.irs.gov/pub/irs-pdf/i3903.pdf
https://www.irs.gov/pub/irs-pdf/p550.pdf

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