香港会社設立のマニュアル(9)-香港における銀行口座開設
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概要
香港において設立された会社について、会社が香港に銀行口座を開設する必要がある規定はならず、銀行口座を開設する必要がある規定さえもありません。
銀行口座の開設、開設の数、開設場所等の銀行に関連する事項は、会社の取締役又は取締役会によって決定されます。
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口座開設に必要な書類
口座開設に必要な書類について、具体的には以下の通りです。
(1) 会社設立証明書
(2) 有効な商業登記証
(3) 会社組織定款
(4) 会社設立申請書フォームNNC1(1年以内に設立された新規会社の場合)又は直近の年次申告書フォームNAR1(1年以上存続している会社の場合)
(5) フォームNNC1又は直近のフォームNAR1の提出後に会社登記所又は税務局に提出された全ての法的文書
(6) 組織構成図(実質的支配者(個人)まで表示する必要がある)
(7) 取締役・株主・実質的支配者・署名権者の身分証明書類
(8) 取締役・株主・実質的支配者・署名権者の直近2ヶ月の住所証明書類(公共料金領収書、銀行取引明細書等、所有者の氏名や詳細な住所を表示する必要がある)
(9) 直近6ヶ月の同一の取引に係るビジネス証明(business proof、例えば取引先や仕入先からの請求書・契約書・支払証明書・納品書等)。香港で口座を開設するより良い理由を得るには、香港又は中国本土に関連するビジネス証明を提供することをお勧めします。
(10) 取締役全員の履歴書
(11) 事業計画書(事業性、営業場所、本社、予測売上高、香港で銀行口座を開設する理由等が含まれる)
香港銀行は英語又は中国語で表記される書類のみを受け取ります。上記の書類はその他の言語で表記された場合、当該書類の英語訳本又は中国語訳本を提供する必要があります。啓源の銀行口座開設サービスには書類の翻訳が含まれていません。必要な場合、啓源はお客様の代わりに口座開設に必要な書類の翻訳を他社に委託することができます。
上記の書類リストは一般的な場合に適用されます。銀行は申請者に他の書類を提出することを要する可能性があります。
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銀行口座開設の手続き
取締役及び全ての署名権者は自ら香港に出向き銀行員と面談を行う必要があります。一部の銀行は、実質的支配者の出席に要します。
一般的に、銀行口座開設の手続きは以下の通りです。
(1) 会社の代表者は電話又はオンラインで銀行に連絡し、会社の連絡先等の情報を提供する。
(2) 銀行は銀行員が取締役及び署名権者との面談を手配する。
(3) 取締役及び署名権者は銀行員と面談する。
(4) 銀行員は口座開設申請を審査部門に転送する。
(5) 審査結果を発表する。
啓源は香港の多くの銀行と協力しています。それらの銀行は、銀行との面接前の予備審査を支援することができます。即ち、予備審査結果について、口座開設の成功率が低いと判断した場合、お客様の時間を節約できます。
当事務所を通じて協力銀行に銀行口座開設を申請するの手続きは以下の通りです。
(1) 啓源はお客様の必要な書類を受け取る。
(2) 書類を審査し、お客様に相応しい銀行を案内する。
(3) 書類を銀行員に郵送し、口座開設の成功率を評価する。
(4) 予備審査の結果を受け取る(銀行員は更なる情報を提供する可能性があり、又はお客様のスケジュールによって面談を手配する)。
(5) 面談の詳細について銀行と確認する。
(6) お客様は自ら銀行に出向き面談に参加する。面談は約1~2時間かかる(オンラインバンキング又はその他の銀行サービスが必要な場合、お客様は面談中に銀行に直接通知することをお勧めします。)
(7) 銀行員は口座開設申請を審査部門に転送する。
(8) 審査結果を発表する。
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銀行口座の使用
香港の銀行はテレホンバンキング及びオンラインバンキング等の使用方法を提供しています。
多数の銀行ははデビットカード及びクレジットカード等のサービスを提供していますが、一部の銀行はそのようなサービスを提供していません。申請前に、銀行又は当事務所にご確認ください。
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注意事項
香港銀行口座開設の注意事項は以下の通りです。
(1) 開設された口座をより適切に管理するために、銀行は時々銀行口座の再審査を行う場合があります。その際、銀行は会社が経営状況、銀行口座の使用状況、資金源に関する情報を提供することを要求する場合があります。会社は、指示に従って、対応するフォーム及び文書を銀行に提出する必要があります。会社が協力しなかった場合、銀行口座が解約される可能性があります
(2) 口座は数か月ごとに使用する必要があります。使用しなかった場合、銀行はセキュリティ上の理由で口座を凍結する可能性があります。凍結後、会社は送金又は着金ができなくなります。口座凍結を回避するために、口座のアクティブを維持するために、会社が時々少額の資金を送金することをお勧めします。
関連資料:
[
香港会社設立の手続きと費用]