2.1 |
アポスティーユ アポスティーユはフランス語の「Apostille」から由来し、「認証」を意味する。1961年の外国公文書の認証を不要とする条約(以下「条約」という)により、アポスティーユとは、条約加盟国の管轄機関が公証文書を発行する現地公証役場又は国際公証人の署名捺印、資格を検証した旨を示すため、公証文書に付箋を付与することだ。管轄機関に申請してアポスティーユを行う前に、書類の国際公証が必要だ。 現時点では、アメリカ、日本、イギリス、オーストラリア、ベルギー、フランス、ドイツ、イタリア、韓国、ベトナム、スペイン、フィリピン、タイ、シンガポール、中国香港、中国マカオは条約加盟国であり、中国本土、ドバイは加盟していない。 中国は2023年3月8日に条約を保管する機関であるオランダ外務省に正式に加盟申請書を提出した。条約は2023年11月7日に中国本土で発効する。 条約の規定により、条約加盟国の間に書類の流通、使用について、領事認証は必要がなくなり、アポスティーユのみは必要となった。従って、2023年11月7日から、条約加盟国の発行した文書は、領事認証がなくても、アポスティーユを経って中国で使われることができることになる。中国が発行する文書も他の条約加盟国に使われることになった。これは、国境を越えて文書を使用するために必要な時間やコストは大幅に削減される。 英国で、外務・英連邦・開発省(Foreign and Commonwealth Office:FCO)は認証の流れのうちのファーストステップだ。FCOは公証文書に付箋を付与する。当該付箋は公証人の署名捺印を検証するために使われている標準化された証明書だ。 |
2.2 |
領事認証 相手国・地域は条約に加盟していない場合、当該国・地域の公証文書は相手国・地域の大使館・領事館で認証される必要がある。その認証は「領事認証」と呼ばれる。国際慣行において、領事認証の目的は、ある国・地域から発行される公証文書が署名捺印の信憑性に疑義があるため、法的効力を失わないよう他国・地域によって承認されることだ。例えば在英国日本国大使館、在英国ドバイ大使館の認証などだ。 |
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