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管理と支配
一般的に、会社は、直前の暦年にシンガポールでその事業を支配及び管理した場合、特定課税年度(YA)においてシンガポールの税務上の居住者とみなされます。例えば、会社は2024年にシンガポールで事業を支配、管理した場合、2025課税年度のシンガポールの税務上の居住者となります。
事業の支配及び管理がシンガポールで行われていない場合、会社は非居住者とみなされます。
「支配及び管理」とは、会社の方針や戦略に関する事項について意思決定を行うことです。会社がどこで支払及び管理を行うかは、事実認定の問題となります。
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内国歳入庁(IRAS)が考える要素
通常、戦略的決定が行われる会社の取締役会を開催する場所は、支配と管理を行う場所です。特定の状況下では、シンガポールで取締役会を開催することだけでは不十分です。IRASは、事業の支配と管理が実際にシンガポールで行使されているかどうかを判断するため、対象会社の全ての事実を考慮します。
IRASが考える要素は以下の通りです。
(1)
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シンガポールで取締役会を開催すること。
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(2)
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シンガポールでの取締役会に戦略的決定をすること。
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(3)
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取締役がシンガポール国内で居住していること。
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(4)
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シンガポール在住の取締役は戦略的決定をすること。
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(5)
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シンガポールに主要な従業員がいること。
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会社の設立地は必ずしも税務上の居住地ではありません。バーチャル会議技術を使って取締役会を開催する会社は、以下のいずれかの条件を満たす場合、戦略的決定がシンガポールで行われたものとみなされます
(6)
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会議中、戦略的決定を行う権限を有する取締役の50%以上はシンガポール在住であること。
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(7)
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会議中、取締役会議長(当該役職が設置されている場合)はシンガポール在住であること。
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外国資本の持ち株
単に受動的所得を有する、又は国外源泉所得のみを受け取る外国資本が投資する持株会社は、通常、その海外株主の指示に基づいて行動するため、一般的にシンガポールの税務上の居住者とみなされません。
ただし、以下の各項が証明できる場合、税務上の居住者とみなされる場合もあります。
(1)
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会社の事業の支配と管理はシンガポールで行われること。
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(2)
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シンガポールに事務所を設置する正当な理由を有していること。
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また、戦略的事項に関する決定がシンガポールで行われていることを証明するする必要があります(例えば取締役会がシンガポールで開催されていることをIRASに証明する)。さらに、以下の要件のいずれかを満たす必要があります。
(3)
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シンガポールの税務上の居住者である、又はシンガポールで事業活動を行う関連会社をシンガポールに有すること。
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(4)
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シンガポールの関連会社から支援又は管理サービスを受けること。
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(5)
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シンガポールに執行役職に就き、名義取締役ではない取締役を1名以上有すること。
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(6)
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シンガポールに拠点を置く主要従業員(例:CEO、CFO、COO)を1名以上有すること。
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居住証明書(COR)の申請
2025年度以降のCOR申請は、戦略的事項に関する意思決定がシンガポールで行われていることを証明するほか、以下の要件を満たす必要があります。
(1)
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シンガポールに執行役職に就き、名義取締役ではない取締役を1名以上有すること。
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(2)
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シンガポールに拠点を置く主要従業員(例:CEO、CFO、COO)を1名以上有すること。
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(3)
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シンガポールに本店を置く関連会社によって管理されていること(例:関連会社が外資会社の運営に関する決定を行う、又は当該会社の投資実績を審査する)。
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シンガポール国外で設立された会社
シンガポール国外で設立された会社は、シンガポールで支配又は管理されていないため、CORが取得できません。海外の親会社によって支配・管理されている外国企業のシンガポール支店にも適用されます。
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可変資本会社(VCC)
2018年可変資本会社法に基づき設立されたVCCは会社として扱われます。
CORを取得するために、VCCはシンガポールの税務上の居住者でなければなりません。VCCのサブファンドの税務上の居住地は、VCCの傘下レベルで決まります。サブファンドのCORを取得するには、サブファンドではなくVCCがCORを申請する必要があります。CORにVCC及びサブファンドの詳細(納税者番号と商号)が記載されます。