香港利得税のご紹介
税務条例に基づき、香港税務局は法人、パートナーシップ、信託または個人事業主の課税所得に対し利得税(法人税)を徴収することができますが、香港は領土主義課税原則を採用しており、つまり香港源泉の所得のみが香港の利得税の課税対象となります。
領土主義課税原則とは、以下の3つの要件を満たした者でなければ、香港の利得税を納付する必要がありません。
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香港で任意の業界、専業または業務を経営する、
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当該業界、専業または業務による所得を得る、及び
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関連する所得は香港で発生するか、あるいは香港から得られる。
即ち、課税対象は香港居住者であるか非居住者であるかを問いません。例えば、香港居住者の海外による所得は香港で課税されません。一方、香港非居住者の香港による所得は課税対象となります。業務が香港で行われるか、及び所得が香港で発生するかについて、主に事実によります。
所得源泉地とは、納税者が利益を得る取引の確実な地理的な位置です。香港税務局が2012年7月に発行した「税務条例釈義及び執行ガイド第21号(改正版)」の「所得源泉地」は、税務局がどのような検証基準に基づいて各種類の収入・所得の源泉地を確定するのかを詳しく解説しています。
貿易による所得:売買契約が成立した場所に基づく。「成立」の意味は、法律上の署名だけではなく、協議、契約締結及び契約履行も含める。
製造による所得:製品を製造する場所に基づく。製品の製造プロセスの一部が香港で行われ、一部が香港以外の場所で行われる場合に、香港以外の場所で行われる製造プロセスに関連する所得は、香港で発生する所得とみなされない。
売買取引によるコミッション:関連する活動を行う場所。
不動産による収入・所得:物件所在地。
上場株式・証券の売買による所得:関連する株式又は証券を売買する証券取引所の所在地(取引所外取引の場合には、売買契約が成立する場所)。
非上場株式・証券の売買による所得:売買契約が成立する場所。
役務の提供による所得:関連する活動を行う場所。
利息収入:借主に金を貸す場所。
国境を超えた陸上輸送による所得:乗客や貨物を運ぶ出発地。
特許使用料:許可または使用権を取得・付与する場所。
データソース:香港税務局ウェブサイト
- https://www.ird.gov.hk/chs/paf/bus_pft_tsp.htm
- https://www.ird.gov.hk/chs/tax/bus_pft.htm
- https://www.ird.gov.hk/chs/pdf/dipn21.pdf
- https://www.ird.gov.hk/chs/pdf/dipn13.pdf