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ミャンマー外資系独資貿易(小売)会社設立のマニュアル

ミャンマー外資系独資貿易(小売)会社設立のマニュアル 

特に明記しない限り、本稿で紹介される外資系独資会社とは、ミャンマーの会社法及びその他の関連法律法規に基づき、構成・設立され、一つもしくは複数の外国会社又は個人に100%所有される非公開有限責任株式会社を指します。

概要

ミャンマー連邦共和国、通称ミャンマーは中国とインドの間に挟んでいる戦略的な位置に位置します。その位置はミャンマーが世界最大の25億人以上の消費者がいる2つの市場に直接参入できることを促進します。天然資源が豊富で、人口構造が有利であるミャンマーはアジアにおいて経済成長が最も急激な国の一つになり、且つ人件費が最も低い国の一つでもあります。過去数年間、ミャンマーは外商投資に関する制限を大幅に緩和したおかげで、外国投資者の優先的な投資先の1つになりました。

本稿はミャンマーにおいて輸入業・小売業を主な業務とする外資系独資貿易会社を設立するのみに適用されます。

非公開有限責任株式会社は、外国投資者がミャンマーにおいて投資・経営活動を行う最も多く利用されている投資形態です。ミャンマー外資系独資会社を設立する場合に、全ての株主及び取締役の身分証明書類、住所、その会社の登録資本金、持株比率(複数の株主の場合)、会社登録住所、その会社の主要事業内容・ビジネスモデルを提供する必要があります。具体的には第6節をご覧ください。

一般的に、ミャンマー会社設立の所要時間は約5~6営業日であり、銀行口座開設の所要時間は約5~7営業日です。会社設立及び銀行口座開設の手続きを完了する所要時間は約13営業日です。ミャンマーの投資企業管理局(Directorate of Investment and Company Administration)(以下「DICA」という)は会社の事業内容及び投資者身分によって登録内容を審査する可能性があり、その場合に設立所要時間も延長されます。

製品を海外から輸入してミャンマー国内において小売するミャンマー外資系独資会社は小売業ライセンス、営業許可及び輸出入業者登録証を取得する必要があります。また、一部の輸入品にはその他の輸入免許・許可の別途申請が必要です。要求及びサービス費用について、具体的には第2節をご覧ください。

  1. 会社の基本構造

    1.1
    会社名称(商号)

    ミャンマーにおいて設立された有限責任株式会社は会社名称の末尾に「LIMITED」又は「LTD」を付く必要があります。予定会社名称は唯一で、既存の会社名称又は類似もしくは予約済の会社名称が使用できません。

    1.2
    登録住所

    ミャンマー会社はミャンマーに位置する登録住所を持たなければなりません。DICAに会社登録を申請する場合に登録住所を提供しなければならないことにご注意ください。会社法の登録住所に関する要件を満たすために、当事務所は一年間にわたるミャンマーの住所が会社の登録住所として提供できます。必要であれば、当事務所は郵便物の受取及び転送のサービスも提供できます。

    ミャンマーの会社法により、小売業に従事する外資系独資会社は店舗をリースする必要があります。小売業ライセンス及び営業許可を申請する場合には店舗の賃貸借契約書を提出しなければなりません。クライアント様が店舗住所へ会社レター及び郵便物を郵送する必要がある場合、当事務所は店舗住所を会社登録住所として会社設立手続きを行い、且つ必要なライセンスを申請します。

    備考:ミャンマーの法規により、外資系独資会社が店舗面積929㎡未満の小売を行うことは認められていません。

    1.3
    登録資本金

    小売業に従事する外資系独資会社の最低資本金額に関する制限は(賃借料を除いて)300万米ドルです。資本金の分割払いができますが、初回の出資額は資本金額の50%以上でなければならず、且つ小売業ライセンスの申請日までに払い切る必要があります。残りの30%、20%は2年目、3年目以内に払い切らなければなりません。

    1.4
    株主

    ミャンマーの会社法には有限責任株式会社の株主数に関する制限がありませんため、株主は国籍を問わず、1つ又は複数の法人でも自然人でもなれます。

    1.5
    取締役

    取締役の国籍に関する制限がありませんが、最低1人の取締役はミャンマー居住者であることが必要です。即ち外資系独資会社設立後、その取締役はミャンマーにおいて12ヶ月以内に183日以上滞在する必要があります。ミャンマーにおいて会社を設立しようとする外国投資者の便宜及び会社設立の要求に該当するために、当事務所はミャンマー居住者たる取締役サービスを提供することができます。

    1.6
    会社定款

    会社設立の際には、モデル定款又は独自定款の使用を決定する必要があります。クライアント様が独自定款を使用する場合、当事務所は独自定款によって会社の設立手続きを行います。独自定款はクライアント様の要求した条項を含み、且つ当事務所がその定款内容をミャンマー語に翻訳することに協力します。

    1.7
    会社秘書役

    ミャンマーにおいて設立された全ての会社はミャンマーの会社法の要求を該当しなければなりません。ミャンマーの会社法に違反した全ての行為は会社及び取締役が処罰又は起訴される恐れがあります。当事務所は会社秘書役サービスが提供でき、登録住所の変更、増資、株主変更などのサービスも提供できます。

  2. 輸入業・小売業に関するライセンスと許可

    ミャンマーの現行法律により、輸入業・小売業に従事する会社は、小売業ライセンス、営業許可及び輸出入業者登録証などを申請する必要があります。

    2.1
    小売業ライセンス

    外資系独資会社は小売業ライセンスを取得してからこそ小売を行うことができます。小売業ライセンスを申請する前に、管轄の開発委員会に推薦状を申請する必要があります。推薦状取得後、ミャンマー商業省へ必要書類を提出し、且つ登録手続きを完了して小売業ライセンスを取得します。

    2.2
    (小売の)営業許可

    特定の区域において小売業を経営しようとする会社は、ヤンゴン市開発委員会(Yangon City Development Committee)などの市開発委員会に登録を申請し、営業許可を取得する必要があります。

    2.3
    輸出入業者登録証

    ミャンマーにおいて輸入業に従事する外資系独資会社は、輸入資格の申請及び商業省貿易局に輸出入業者登録証(別称「Impex Card」という)を申請して取得する必要があります。

    2.4
    輸入ライセンス

    輸出入業者登録証取得後、クライアント様が輸入しようとする製品には特別な免許・許可の別途申請の可能性があります。当事務所は、その免許・許可を申請する必要書類の準備に協力でき、ミャンマー商業省へ提出します。商業省は申請書類審査を行い、問題がなければ輸入ライセンスを発行します。

    ミャンマーの現行法律により、輸入業・小売業に従事する会社は、小売業ライセンス、営業許可及び輸出入業者登録証などを申請する必要があります。

  3. 関連税制

    ミャンマーにおいて設立される外資系独資貿易会社が下記の税金を納付する義務を負います。

    3.1
    法人所得税申告

    ミャンマーの会社法に基づいて設立された会社の法人所得税率は25%です。会社は年度の総所得の見込金額を推計し、四半期ごとに法人所得税を予納する必要があります。予納税額及び全ての源泉徴収の税金は実際の最終税額と相殺することができます。

    会計年度末から3ヶ月以内に税務署へ法人所得税申告書を提出しなければなりません。

    3.2
    商業税申告

    ミャンマーにおいて、商業税は物品の販売・サービス提供時点で課税されます。規定されている非課税品目を除き、全ての物品・サービスは商業税の課税対象です。基本となる商業税率は5%です。

    商業税の初登録は事業活動開始の30日前に行われます。毎年の会計年度末までに30日以内に更新登録を行う必要があります。

    商業税申告書は四半期ごとに提出されます。年次申告書は会計年度末から3ヶ月以内に提出される必要があります。

    3.3
    法定社会保険料及び個人所得税の申告

    ミャンマーの社会保障法により、5人以上の労働者を雇用する会社は、社会保障事務所に登録し、社会保険料を毎月支払う必要があります。社会保険料として、雇用主は労働者の賃金額3%(9,000チャットを上限)を支払い、労働者はその賃金額2%(6,000チャットを上限)を支払う必要があります。雇用者は賃金を支払う時、労働者の社会保険料を源泉徴収しなければなりません。

    雇用者は賃金を支払う時、労働者の個人所得税を源泉徴収する必要があります。毎月の控除明細書は控除日から7日以内に税務署へ提出し、年度の給与支払報告書は会計年度末から3ヶ月以内に税務署へ提出する必要があります。

    3.4
    特別物品税

    ミャンマーにおいて、特別物品税は諸外国の消費税に類似します。特別物品税は、たばこ、酒類、車両、宝石及び石油化学製品などの特別物品に対して、販売数量又は販売金額によって最高60%の税率が適用されます。

    3.5
    関税

    多くの輸入品はミャンマー関税局に関税を納付する必要があります。輸入機械設備及び部品に対する関税の税率は輸入品の価値0~40%となります。

  4. 年間維持要求

    DICAが会社情報を確認するために、ミャンマーにおいて設立される新会社は登録日から2ヶ月以内にDICAへ最初の年次報告書を提出する必要があります。その後、毎年の登録記念日から1ヶ月以内に年次報告書を最低1回提出しなければなりません。

    また、設立後のミャンマー会社はミャンマー会社法の規定(例えば、年次総会の開催、年次財務諸表の作成、ミャンマー独立監査法人による年次財務諸表の監査、所得税申告書の提出など)を遵守する必要があります。詳細については、当事務所の専門会計士にお問い合わせください。

  5. 設立の手続きと所要時間

    一般的に、ミャンマーにおいて外資系独資会社を設立する時間は約5~6営業日であり、銀行口座開設時間は約5~7営業日です。以上の手続きを完了する所要時間は約13営業日です。

    5.1
    会社名称(商号)の決定

    既存の会社名称又は類似もしくは予約済の会社名称が使用できません。会社名称の可用性を確認するために、当事務所は類似商号調査サービスを提供します。クライアント様はオンラインシステムで会社名称の予約申請を行うこともできます。

    5.2
    会社設立書類作成

    ミャンマーにおいて設立された会社はDICAへ会社設立関連書類又は登録フォームを提出し、登録料を支払う必要があります。DICAは設立書類の審査を行い、問題がなければ登記証を発行します。

    5.3
    銀行口座開設

    会社設立後、銀行口座の開設は必要です。銀行口座開設の際に、会社の全ての署名権者は自らミャンマーに出向き銀行口座の開設を行う必要があります。当事務所は銀行口座の開設手続きに支援できます。詳細について、当事務所の専門コンサルタントにお問い合わせください。

    会社設立及び銀行口座開設の手続き完了後、必要なライセンスが申請できます。製品を海外から輸入してミャンマー国内において小売するミャンマー外資系独資会社は、小売業ライセンス及び営業許可を申請しなければなりません。上記のライセンス取得後、輸出入業者登録証及び輸入ライセンスの申請も必要です。以上の手続きを完了するには約20週間がかかります。詳細については、当事務所の専門コンサルタントにお問い合わせください。

  6. 必要書類

    ミャンマー外資系独資会社を設立する際、下記の書類及び情報を準備する必要があります。

    (1)
    英語の会社名称・商号2~3個
    (2)
    株主が自然人の場合は、パスポートのカラー写し及び持株比率、株式種類(例えば普通株)、住所情報を提供する。株主が法人の場合は、設立証明書のカラー写しを提供する。
    (3)
    全ての取締役となる者のパスポートのカラー写し及び住所情報
    (4)
    会社の登録資本金
    (5)
    会社の事業内容

  7. 登記書類一式(登録完了後得られる法的書類)

    会社設立後、下記の法的書類をクライアント様に渡します。

    (1) 設立証明書の電子版
    (2) 会社概要の電子版(会社の詳細情報)
    (3) 会社印及び取締役印

 クライアント様が手続きを行う前に専門のコンサルタントに相談することをお勧めします。啓源はミャンマー会社の設立、銀行口座開設、許可・免許の申請などの各サービスが提供できます。詳細については、当事務所の専門コンサルタントまでお問い合わせください。

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本文の内容と意見は一般的な情報共有のみであり、専門的なアドバイスではありません。本文の内容への信頼によって生じた全ての損失に対しては、啓源が一切責任を負いません。

もっと詳細な情報や支援をご希望の場合は、下記のお問い合わせをご利用になってください。

メール: info@kaizencpa.com
固定電話: +852 2341 1444
携帯電話: +852 5616 4140, +86 152 1943 4614
ライン・WhatsApp・WeChat: +852 5616 4140
公式ウェブサイト:www.kaizencpa.com
Skype: kaizencpa

ダウンロード: ミャンマー外資系独資貿易(小売)会社設立のマニュアル [PDF]

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