香港『会社条例』により、非公開会社は、最低1人の自然人たる取締役を有します。取締役の最大人数に制限はありません。
香港『会社条例』により、会社の株主が1人のみであり、且つその株主が会社の唯一の取締役である場合、会社は予備取締役を委任することができます。唯一の取締役が死亡した場合予備取締役は唯一の取締役の代わりに取締役の権限を行使します。予備取締役は18歳以上であり、且つ香港の会社登記所に登録する必要があります。
自然人及び法人は香港会社の取締役を務めることができます。会社の取締役は国籍又は地域を問わず、会社の会議をいかなる場所で開くことができます。
香港『会社条例』により、取締役は特定の株数を保有する必要がありません。即ち、個人は香港会社の取締役に委任された場合、その香港会社の株式を保有する必要がありません。但し、会社定款が取締役に一定数の株式を保有することを規定している場合、取締役は委任されて2か月(又は会社定款に規定されているより早い期限)以内にその数の株式を応募しなければなりません。
取締役の名前、パスポート番号(香港居民の場合は香港身分証番号)、住所を香港会社登記所に登記し保存する必要があります。全ての者は、香港会社を調べ、料金を払って会社関連の情報を検索できます。
香港『会社条例』により、取締役には通常、会社業務を管理する権限が与えられています。取締役は会社の管理者です。法律は取締役に会社の定款に従って会社の業務を管理する権利及び自由を与えています。
コモン・ロー(common law)により、取締役は取締役会の決議を通じて取締役の権利を行使する必要があります。一部の取締役は単独でその権限を行使することができません。
6.1 取締役は会社の日常業務及び管理事務を維持する責任を負います。
6.2 取締役は会社の受託者と見なされ、会社経営の権利が与えられています。「受託者」には、信頼と誠実が含まれます。取締役は、会社の利益を優先して行動し、与えられた権利に従って権限を行使しなければなりません。例えば、取締役は職務と対立する事務に一切関与しません。また、会社の承認がない限り、取締役は自分の利益のために取締役の権利を利用してはなりません。
6.3 取締役が過失により会社に損害を与えた場合、取締役はその過失により生じた損害に責任を負います。
6.4 香港『会社条例』により、取締役は重大な責任を持つ必要があります。例えば、会社が清算している際に会社の事業に不正な債権者などが関与していることが判明した場合、裁判所は関連する不正行為者(通常は取締役)が会社の債務及びその他の負債について責任を負うとの判決を下します。
6.5 会社が清算している際に会社の設立又は宣伝活動に参加した(辞任又は現職の)従業員(取締役を含む)、清算人もしくは受領者が会社資産の不正流用を行い、又は義務の怠慢もしくは責任の不履行により会社に損害を与えた場合、調査後、裁判所は不履行者に関連する資産の支払もしくは返還を命じる権利、又は補償として資産を返還する権利を有します。
一般的に、会社管理の権限は取締役会に属します。法律又は会社定款により決議が株主総会を通過する必要がない場合、取締役は直接的に権利を行使できます。取締役は香港会社定款で付与された権限に従って行動する場合、決議を行うために株主総会を招集する必要はないかもしれません。
株主は、会社定款を変更することにより、取締役の権限、解任、取締役の再選の拒否を管理することができます。特別な場合、以下の事項は株主総会によって承認される必要があります。
(1) 会社定款の修正
(2) 登録資本金の変更(増資、減資など)
(3) 監査人の委任及び解任
(4) 会社取締役の解任
(5) 取締役の退職慰労金の支払
(6) 会社清算
決議は以下3つの方法があります。
7.1 普通決議/
香港会社の普通決議は、株主総会に出席し、議決権を有する株主によって投票され、決議を可決するには過半数の賛成票が必要です。関連する株主総会の通知は、開催の14日前に各株主に発行される必要があります。例えば、香港会社の増資には、普通決議が通過される必要があります。
7.2 特別決議
香港会社の特別決議は、株主総会に出席し、議決権を有する株主によって投票され、、決議を可決するには75%以上の賛成票が必要です。関連する株主総会の通知は、開催の21日前に各株主に発行される必要があります。例えば、香港会社の定款を修正するには、特別決議が通過される必要があります。
7.3 書面決議
会社の書面決議は、決議を可決するために、全ての株主によって承認され、署名されなければなりません。書面決議は、株主総会で可決された決議と同じであり、適切な場合に特別決議として扱われます。
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