5.1 |
会社合併による承継責任がない原則 資産の処分の際、承継人責任を想定されておりません。しかし、会社合併では、1 つ以上の会社事業体が消滅するので、存続の会社はその消滅した会社の権利義務を承継させなければならない、所謂承継人責任が必要とされています。存続会社は消滅した事業体の権利と義務を承継しなければなりません。 しかし、資産の処分においては、会社が消滅することはありません。資産を処分した会社は相変わらず存在しています(資産を換価したことによって、大量の現金を所有しているでしょう)。そのため、その会社の債権者は訴える対象があります。又、資産の処分を行った企業が解散した場合には、債務を弁済しなければ、株主への残余財産の分配が許されません。したがって、資産の処分においては、原則として承継人責任はありません。 |
5.2 |
承継人責任の例外 (1) 資産の処分に別段の定めがある場合に承継人責任は認められます。例えば、資産の譲受会社は譲渡会社の債務を引き受けることに意思表示した場合です。 (比較的低い価格で資産を譲り受けることができるでしょう。) (2) 「単なる継続」の原則を適用する場合です。資産の譲受会社が譲渡会社に代わって継続する場合、その原則に基づき裁判所は承継人責任を負わせます。たとえば、譲受会社が譲渡会社と同じ業務に従事していると同時に管理部門を共有しています。この場合、裁判所は 2 つの会社を同一視し、譲受会社が譲渡会社の義務を引き受けたとみなされる判決を出します。 (3) 最後は事実上の合併に該当する場合です。裁判所は「単なる継続」と「事実上の合併」に関する判例法を検討し、資産の処分が対価として行われた場合、資産の処分において後継者責任が発生するとの判例はこれまでにありません。言い方を変えますと、裁判所は、資本が不足する場合の資産の処分において、承継人責任を追及される旨の判決を出すマス |
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