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米国内国歳入法(IRC) の第 1231 条の資産について

米国内国歳入法(IRC)  の第 1231 条の資産について

前回の記事では米国会社の資産の種類及び減価償却について説明したように米国内国歳入法(IRC)の第 1231 条に規定されている資産には貿易またはビジネス活動に使用され、且つ保有期間が1 年を超えた減価償却可能な資産がメインに含まれています。このような財産は 米国内国歳入法1221(a)(2) によって資本資産の取り扱いから排除されていますが、同法の1231条の規定に基づいて、資本資産でなくても貿易またはビジネス用財産の処分による利益がキャピタルゲインとして取り扱われます。本稿では、第1231条に規定された資産についてさらに詳しく説明します。

  1. 第 1231 条の資産損益

    通常では、第 1231条 の純収益は長期キャピタルゲインとし、純損失は通常の損失として扱われます。個人納税者は年間 3,000 ドルに制限されず (資本損失の限度額が3000ドル)、法人は損失の控除をすることができます (資本損失は他の種類の収益から控除することができません)。

    1.1
    第1231条の資産収益

    「第 1231 条の収益」とは、貿易または業務用の資産の売却または交換による利益、および強制的に変換(全体または一部の毀損、盗難または差し押さえによって、行使権利が妨害され又は妨害される恐れがある)による利益、又は保有期間が1年以上且つ貿易若しくは業務又は利益追求の為に行う取引に関連する資本資産のことです。

    1.2
    第1231 条の資産損失

    「第1231 条の損失」とは、販売、交換、または転換によって認識された損失のことです。

    (1)     1231(a)(4)(A)

    当該条文に基づいて収益が損失を超えるかどうかを確認する際には、総所得の計算を行って第 1231 条の収益を考慮する場合は、1231条の収益に計上され、課税所得を計算し第 1231 条の損失を考慮する場合、1231条の損失に計上されることが許されます。

    (2)     1231(a)(4)(B)

    全部または一部の毀損、盗難、差し押さえ、徴収されまたは徴収されることによる損失(保険など賄われない損失を含む)、貿易若しくは業務用に使用された資産又は保有期間が1年以上の資本資産で、且つ営利目的で行われた取引又は業務による損失は強制的転換による損失として扱われるべきです。

    (3)     1231(a)(4)(C)

    火災、嵐、難破又はその他の以外事故、または盗難による強制的転換といった状況を除き、貿易又は業務中に使われた全ての財産又は保有期間が1年以上、営利目的で行われた貿易又は業務に関連性がある資本資産です

    課税年度中に上記に該当する転換より認識された損失のほうが多い場合、当該条文は当該転換に適用されないもととします(利益又は損失があるかどうかにかかわらず)

  2. 貿易または業務に用いられる資産

    「貿易または事業に使用される資産」は性質上、第 167 条に規定されている免税額を適用することができます。これには、次のように 保有期間が1 年を超える資産及び貿易又は業務に用いられる事業に使用される不動産も 含まれています。

    (1)
    木材、石炭または国産の鉄鉱石

    (2)
    家畜

    牛又は馬の場合、動物の年齢に関係なく、耕作、繁殖、乳製品の作成またはスポーツの目的で24ヶ月以上保有されていることです。

    その他の家畜の場合、動物の年齢に関係なく、耕作、繁殖、乳製品の作成またはスポーツの目的で24ヶ月以上保有されていることです。

    (3)
    未収穫の農作物

    貿易または経営に使用された土地の上の農作物を1年以上保有し且つ土地及び農作物を同一人物に譲渡する場合(強制的又は任意的)、当該農作物は「貿易または業務に使用される財産」とみなされます。

    (4)
    例外

    (1)  課税年度の終わりに取得したものは適切に残高財産に計上されることができる財産。

    (2)  通常の貿易または経営を行う際に主に顧客に販売する目的で保有される財産

    (3)  セクション 1221(a) の段落 (3に規定されている特許、発明、モデルまたはデザイン(特許取得が完成されているかに関係なく)、秘伝配合または手芸、著作権、文学、音楽または芸術作品、手紙または覚書、または同様の財産。

    (4)  一般に販売される価格で購入されている出版物の以外に、第 1221 条 (a) の段落 (5) に記載されている納税者が保有されている米国政府またはその機関から受け取った米国政府の出版物(議会記録を含む)。

  3. 取戻し

    利益が損失を上回った場合の長期キャピタルゲインの処理と、損失が利益を上回った場合の通常の損失の処理は米国内国歳入法の第 1231 条の規定内容です。しかし、 2 つの「取戻し」条項により、第 1231 条が一般的な適用が制限されます。

    3.1
    米国内国歳入法第1231(c) 条に基づく5 年間の遡及規則

    2 番目の「取戻し」条項は 1984 年に制定されました。第 1231 条(c) 条の趣旨は、第 1231 条の資産に関するタイミング戦略を減らすことにあります。

    たとえば、2023 年に、個人は第 1231 条により純収益 2,000 ドルの利益を実現します。経常利益およびキャピタルゲイン所得の確定申告を行う為に過去 5 年間に発生した第 1231 条の損益を評価する必要があります。 2018年から2022年までの第1231条の損益は以下の通りです。 

    年度  金額
    2018   -0-
    2019   -0-
    2020     (2,500ドル)
    2021   -0-
    2022   $1,800

    2023 年の第 1231 条利益の確定申告の作成は下記のようになります。

    1)  第1231条の純利益(2023 年) 2,000 ドル
    2)  第1231条 の純損失 (2020 年) 2,500 ドル      
    3)  第1231条 の純利益(2022 年) 1,800 ドル        
    4)  過去5 年間の第 1231条の純損失の残高 $700
    5)  経常利益として処理される利益 $700
    6)  長期キャピタルゲインとして処理される利益 $1300

    思い込みの濫用を抑制するために、第 1231 条 (c) 条では、1 年間に第 1231 条の純利益があった場合、その利益は過去 5 年間に「回収されていない」損失が存在し、その純利益が経常利益と規定されています。

    3.2
    取戻し繰延後の第 1231 条の利益

    第 1231 条の利益は長期キャピタルゲインとなります。第 1231 条に該当しない資本損失が第 1231 条の利益と相殺することができます。

    例: Martaは第1231条に規定されている不動産を売却することにより、50,000 ドルの利益を得ました。同人はフォーム 4797を使い事業用不動産の売却による利益を計算し、スケジュール Dの項目「資本損益」によって収益及び1231条に該当しない資本損失 (75,000 ドル) を申告しました。さらに、同人は、上記の第 1231 条に該当しないキャピタル損失 (75,000 ドル) を使って第 1231 条のキャピタルゲインの 50,000 ドル、そのうち、の損失の 3,000 ドルを他の所得と相殺することができます。同時に、あまりのキャピタルロスの 22,000 ドルを繰り越すことができます。

参照:
https://www.irs.gov/instructions/i4797
https://www.irs.gov/publications/p544
https://www.irs.gov/publications/p544#en_US_2022_publink100072547

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