米国の所得税がない州―テキサス州
テキサス州は投資者に他の州にはない競争優位性を提供しています。テキサス州は米国で個人所得税を課さない7つの州の1つであり、かつ法人所得税を課しません。この独特な税収の仕組みは現地企業が利潤を保有し、さらなる発展と拡大を促進するのに役に立ちます。
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フランチャイズ税(Franchise Tax)
テキサス州の企業は州法人所得税を納付する必要がありませんが、フランチャイズ税を納付する必要があります。テキサス州で設立されたすべての会社は、毎年テキサス州政府にフランチャイズ税報告書(Franchise Tax Report)を提出し、かつフランチャイズ税を支払わなければなりません。年収が118万ドルを下回った企業はフランチャイズ税を支払う必要がありませんが、フランチャイズ税報告書を申告することが義務付けられます。テキサス州会社は、小売業又は卸売業に従事する場合、相応するフランチャイズ税の税率は0.375%です。小売業・卸売業以外の業種に従事する場合、相応のフランチャイズ税の税率は0.75%です。年収が2,000万ドルを下回り、且つForm E-Zでフランチャイズ税を申告することを選択したテキサス州会社に適用される税率は0.331%となります。
留意すべき点としては、テキサス州会社は資格に該当する科学研究プロジェクト、歴史的建造物修復プロジェクトまたはクリーンエネルギープロジェクトに参加しましたら、テキサス州フランチャイズ税の税収優遇政策を受ける可能性があります。
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売上税・使用税(Sales or Use Tax)
会社はテキサス州において小売業または卸売業の販売・賃貸を行い、あるいは課税サービスを提供する場合、テキサス州税務署に登録しかつ売上税を納付することが義務付けられます。
テキサス州の売上税は、州税(6.25%)、地方税(最高2%)及び発生可能なその他の地方税によって構成されています。地方税の税率は各地区の状況によります。
資格に該当する納税者は税収優遇措置を受けられます。期限までに売上税・使用税を申告・納付する納税者は0.5%の税収優遇を受けられます。売上税を前払いする(月ごとの申告は翌月15日までに納税する必要がある。四半期ごとの申告は毎四半期の2ヶ月目の15日までに納税する必要がある)納税者は、0.5%の税収優遇に加えて、別途1.25%の税収優遇を享受できます。
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給与税(Payroll Tax)
テキサス州で設立された会社は、州内で従業員を雇用しかつ給与を支払う場合、テキサス州労働力委員会(Texas State Workforce Commission)に報告し、且つ雇用主として登録しなければなりません。テキサス州では、雇用主は従業員の給与から給与税を天引きすることが要求されませんが、従業員のために失業保険税(UI)を負担する必要があります。雇用主は各従業員の給与の最初の9,000ドルに対して失業保険税を支払う必要があります。
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年次更新(Annual Renewal)
テキサス州で設立された全ての会社は、テキサス州会社法に従って維持管理されなければなりません。当該テキサス州会社は、テキサス州における物理的な住所を有する登録代理人を選任する必要があります。当該登録代理人の役割は、会社に代わって法律文書を受領し、毎年テキサス州政府に年次フランチャイズ税報告書と公開情報報告書(Public Information Report)を提出し、政府にビジネスライセンスを時間通りに更新することです(適用される場合)。年次報告書(Annual Report)の提出期限は毎年5月15日であり、土曜日・日曜日・祝日に当たった場合は、翌営業日となります。規定された期間内に報告書を提出しない会社に対して、テキサス州政府は罰金及び利息を科する可能性があります。
上述のテキサス州の各税務コンプライアンス要求のほか、米国税法に基づき、毎年時間通りに連邦政府に税務申告を行う必要があります。テキサス州会社の設立や年次更新サービスに興味がありましたら、当事務所の専門コンサルタントにお気軽にお問い合わせください。