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香港会社の維持要件のマニュアル(8)-利得税申告書の提出

香港会社の維持要件のマニュアル(8)-利得税申告書の提出



  1. 利得税申告書及び関連書類の提出

    香港において経営している会社は、毎年、利得税(日本の法人税に相当する)申告書(フォームBIR51)を香港税務局に提出する必要があります。利得税申告書を提出する際に、以下の証明書類を同時に提出必要があります(小規模法人を除く)。

    1.1
    監査済の財政状態計算書/貸借対照表及び包括利益計算書/損益計算書の認証済みコピー
    1.2
    監査報告書の認証済のコピー
    1.3
    課税所得の計算方法を説明する計算書
    1.4
    以下の項目に関する添付文書(適用する場合)

    • 資本的支出、資産売却、勘定科目で計算された減価償却、及び課税年度末の未使用資産
    • 科学研究の支出及び売却による収入の詳細
    • 建物の修繕費の詳細(当年度の建物の場所及び目的を含む)
    • 環境保全機械、クリーン自動車、環境保全装置に使用された支出及び売上の詳細
    • 引当金及び準備金の詳細(関連取引を含む)
    • 全てのサービス料及び管理手数料の詳細(全ての支払人の氏名及び住所を含む)
    • 支払ったまたは支払べき利息の詳細(貸し手の氏名や住所、当事者間の関係、貸し手に保証を提供したかどうかなどを含む)
    • 香港以外の源泉所得及び関連の支出の詳細
    • 請負業者/下請け業者への費用、管理手数料、手数料、法務やその他の専門家の費用、及び香港で使用するまたは使用権のある動産の賃料の受取人の名前や住所の詳細
    • 貸倒引当金及び貸倒れの詳細
    • 在庫または製品に使用された価格設定方法と過去の方法の違いの詳細
    • 家賃の支払の詳細(家主の名前や住所、物件の場所、支払った家賃の合計及び賃貸の契約期間など)
    • 特別損益の詳細
    • 事業終了時に事業を賃貸または売却する契約書の写し、事業終了後に受け取った支払の詳細、及び現在事業所を占有している者の氏名
    • 利得税計算書、及び各非香港居住者、特別目的事業会社、特別目的ファンド、特別目的事業体の名称や住所
    • 株式引受権またはストックオプションブの履行の詳細
    • 承認された慈善寄付の金額及び団体の名称
    • オープンエンド型ファンド会社が保有する各サブファンドの課税所得または調整後損益計算書

    2019年4月1日以降、香港税務局は企業が優遇措置及び優遇税制に関する情報を記入するために、10の利得税申告添付表(フォームBIRS1~フォームBIRS10)を導入しました(適用する場合)。具体的には以下の通りです。

    • フォームBIRS1:2段階税率措置を選択した者
    • フォームBIRS2:譲渡価格設定
    • フォームBIRS3:研究開発費
    • フォームBIRS4:エネルギー高効率建物・装置の支出
    • フォームBIRS5:船主
    • フォームBIRS6:プロの再保険会社
    • フォームBIRS7:承認されたキャプティブ保険会社
    • フォームBIRS8:適格財務統括会社
    • フォームBIRS9:適格航空機リース業者
    • フォームBIRS10:適格航空機リース管理事業者

    備考:会社の会計帳簿の監査は香港『税務条例』の要件でなく、香港『会社条例』の要件です。従って、海外会社の設立時の所在地には会計帳簿の監査の要件を有しない場合、税務局は当該会社の取締役署名済みの未監査の会計帳簿を受け入れることができます。また、香港『会社条例』により、一部の香港有限会社は会計帳簿の監査を免除します。例えば、休眠中の香港有限会社の場合、税務局はその未監査の会計帳簿を受け入れます。

  2. 利得税申告書の提出期限

    利得税申告書は(1)個別発行または(2)一括発行の2つの場合で発行されます。

    査定官(assessor、中国語で「評税主任」という)は、1評税年度に個別の状況により利得税申告書を個別に発行します。緊急の場合を除き、利得税申告書は発行日から1ヶ月以内に提出されなければなりません。

    例として、香港税務局は2020年5月4日にコンピューターで2019/20年度の利得税申告書を一括に発行します。原則として、利得税申告書は発行日から1ヶ月以内に提出されなければなりませんが、納税者が税務代理人を選任している場合、提出期限は会計決算期により以下の日付に自動的に延長することができます。

    種類

    会計決算期

    提出期限

    Code M

    202011331

    20201116

    Code D

    20191211231

    2020817

    Code N

    その他の場合

    2020630


    上記の期限は、課税年度2019/20にのみ適用されます。納税者は税務代理人を選任していない場合、税務局に書面で延長を申請する必要があります。期限延長後の提出日は毎年異なり、詳細は税務局のホームページにご参照ください。通常、税務局は延長後の再延長を承認しません。但し、納税者が特別な理由がある場合、査定官は再延長を承認します。

参考資料:


  1. 「香港会社株式譲渡について」
      https://www.kaizencpa.com/jp/Services/info/id/25.html
  2. 「香港会社設立の手続きと費用」
      https://www.kaizencpa.com/jp/Services/pinfo/id/386.html



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