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シンガポールの個人所得税を解説

シンガポールの個人所得税を解説

シンガポールは世界で最も税率が低い国の一つであり、タックスヘイブン(租税回避地)と言われます。シンガポールは低い税率及び税収優遇政策、及び安全で安定した居住環境のおかげで、人気のある海外投資先及び移民先になっています。シンガポールでは法人税率が最高17%であり、個人所得税の最高税率が22%であり、且つキャピタルゲイン税及び相続税がありません。

本稿では、シンガポールの個人所得税の課税原則、税率、税務上の居住者判定および申告方法などを紹介します。シンガポールの投資・移民を考慮するクライアント様は本稿を参考にすることができます。本稿は、有効期限が2020年2月28日までの法律・法規および2020年度の財政予算案に公表された関連政策に基づくものです。

シンガポールは世界の中で最も個人所得税率が低い国の一つです。シンガポールの個人所得税の納税者は税法上の居住者と非居住者に区分され、かつ異なる税率と計算方法が適用されます。従って、個人がシンガポールの税法上の居住者と判定されるかどうかはシンガポールでの税金負担に影響を及ばす要因です。税法上の居住者の個人所得税は、前年度の所得から所得控除を差し引いてから累進課税方式で算出され、税率が2%~22%です。税法上の非居住者は所得税の軽減免除がなく、22%の均等割の個人所得税率が適用されます。なお、シンガポール源泉の給与所得は15%の均等割の税率、またはシンガポール税法上の居住者に適用される累進税率のいずれか高い方に準じます。詳細は第2節(シンガポール税務上の居住者)第3節(シンガポール税務上の非居住者)をご覧ください。

シンガポール政府は地域を跨ぐ高級管理者に対して各種優遇政策(非通常居住者計画および地域代表計画を含む)を提供しています。当該計画に該当する納税義務者はそのシンガポールでの滞在日数に基づいて課税所得金額を計算し、且つ年金の積み立てに関する優遇政策を享受できます。詳細は第4節(税制優遇措置)をご覧ください。

納税者は毎年3月1日から4月18日までシンガポールの内国歳入庁(IRAS)に確定申告書を提出し、且つ内国歳入庁による賦課決定通知書の発行日から30日以内に税金を納付しなければなりません。もし納税義務者は内国歳入庁が発行した賦課決定通知書にある納税額に同意しない場合、賦課決定通知書の発行日から30日以内に内国歳入庁に異議申立てを書面で行う必要があります。詳細は第5節(個人所得税の申告と納付)をご覧ください。 

第1節 個人所得税の基本規定

1、
課税の原則

シンガポールの税制は属地主義を採用しています。シンガポールの所得税法に基づき、個人がシンガポールで発生した又はシンガポールから得た、またはシンガポールで受け取った・受け取ったとみなされる収入は、シンガポールの所得に該当し、シンガポールで確定申告を行う必要があります。逆に言えば、シンガポール国外で得た、または受け取った・受け取ったとみなされる収入は、シンガポールで課税の対象になりません。

上記の原則により、シンガポール国内でサービスを提供することにより得た収入は、シンガポール源泉所得となります。即ち個人がシンガポール居住者であるかどうかにかかわらず、シンガポール国内または海外で支払われる所得であるかどうかにかかわらず、シンガポールでサービスを提供する期間で得た所得に対する確定申告・納税を行う必要があります。一方、個人が海外で得た所得はシンガポールでの課税対象になりませんが、国内のパートナーシップ企業を通じて獲得した取得は課税免除に該当しなく、課税の対象になります。 

2、
賦課年度

シンガポールの賦課年度は毎年1月1日から12月31日までです。納税者は賦課年度中に得た所得に対して、賦課年度終了後翌年3月1日から4月18日までの間に確定申告を行わなければなりません。

3、
賦課の範囲

シンガポールの所得税法により、以下の個人所得に対して所得税を納付する必要があります。
(1) 給与所得
(2) 事業所得、コミッション、及びフリーランスの報酬
(3) 投資所得(不動産投資の家賃収入など)
(4) その他所得(年金、特許使用料、宝くじの当選金又は投資信託の収入など)

上述に述べられている個人所得の形式は現金、実物、有価証券、仮想通貨、株式及びその他の経済的な利益を含みます。現物給与とは被雇用者がシンガポールにおいて雇用主から受けた収益または利益です。シンガポールの所得税法に基づき、特定の現物給与は課税対象に該当します。通常、現物給与は相応する特別な減免規定がありますので、比較的低い所得税率が適用されます(例えば、雇用主が提供する車両及び住宅など)。

4、 申告義務

前賦課年度に課税所得を得た納税義務者は、指定された期間内に内国歳入庁に対して確定申告を行う必要があります。当該年度の収入は20,000シンガポールドル(以下、Sドル)を超えていないことにより納税不要でも、申告が義務付けられます。内国歳入庁から申告不要通知を受け取った場合は別です。

第2節 シンガポール税務上の居住者

1、
税務居住者の判定

ある特定の賦課年度において、以下の条件のいずれかに該当する者はシンガポールの税務居住者と判定されます。

(1) シンガポールに居住するシンガポール市民(SC)と永住者(SPR)
(2) 年間183日以上シンガポールに居住する外国人(会社の取締役を除く)
(3) 連続した2年度内に183日以上シンガポールに居住し、かつ当該2年度をまたぐ関連雇用契約書を持つ外国人
(4) シンガポールに継続して3年間居住する外国人

表1: 居住者判定の要件と税務上の影響

シンガポールにおける居住期間

(就労時間を含む)

税務上の居住者身分

税務上の影響

年間183日以上居住する

当該年度が税務上の居住者

所得税は累進課税 である。

税金の減免を申請できる。

連続した2年度内に183日以上居住し、かつ当該2年度をまたぐ関連雇用契約書を持つ

当該2年度が税務上の居住者

継続して3年間居住する

当該3年度が税務上の居住者


2、 個人所得税の計算方法

シンガポール居住者である個人納税者は、その課税所得に適用される税率をかけて所得税額を計算します。課税所得の金額は、課税される純所得です。納税者は下記の公式に基づいて所得税額を算出することができます。


課税所得Taxable Income
=
総所得Income – 支出・経費Expenses – 寄附金Donations – 人的控除Personal Reliefs
=
法定所得Statutory Income – 寄附金Donations – 人的控除Personal Reliefs
=
控除前の課税所得Assessable Income – 人的控除Personal Reliefs

3、 所得税率

税務上の居住者の所得税額は前年度の所得から所得控除を差し引いて累進課税方式で計算されます。適用される所得税の税率は2%から22%までです。

2019賦課年度には、個人所得税の50%のリベート(上限額が200Sドル)が与えられました。

表2: シンガポール居住者の個人所得税の累進税率表(2017年及びそれ以降の賦課年度が適用される)

課税所得

税率%

課税額(SGD

最初の20,000Sドル

次の10,000Sドル

0

2

0

200

最初の30,000Sドル

次の10,000 Sドル

-

3.50

200

350

最初の40,000Sドル

次の40,000 Sドル

-

7.00

550

2,800

最初の80,000 Sドル

次の40,000 Sドル

-

11.5

3,350

4,600

最初の120,000 Sドル

次の40,000 Sドル

-

15

7,950

6,000

最初の160,000 Sドル

次の40,000 Sドル

-

18

13,950

7,200

最初の200,000 Sドル

次の40,000 Sドル

-

19

21,150

7,600

最初の240,000 Sドル

次の40,000 Sドル

-

19.5

28,750

7,800

最初の280,000 Sドル

次の40,000 Sドル

-

20

36,550

8,000

最初の320,000 Sドル

次の320,000 Sドル

-

22

44,550


4、 免除額

シンガポールにおける税務上の居住者に対して、個人所得税の免除額が毎年20,000Sドルです。年間課税所得が20,000Sドル以下の場合には、税率はゼロとなります。納税者は年間課税所得の20,000Sドルを超えた分だけに対して、適用される税率をかけて課税額を計算する必要があります。

5、 タックスリベート

シンガポールにおける税務上の居住者は、子供の養育費、職業訓練費用、保険料及び積立金の納付に対して個人所得税のリベートを享受できます。納税者は確定申告を行う時に個人の状況によって個人所得税のリベートを申請することができます。

表3: 個人所得税のリベート額(2019年及びそれ以降の賦課年度が適用される)

番号

控除項目

控除額(SGD

1

受講料等控除

実際に支払った課程費用(最大5,500Sドルまで)

2

CPF現金補填控除

個人及び世帯の控除額が毎年それぞれ7,000Sドルを超えない

3

CPF拠出金控除

上限が17ヶ月分の積立金納付金相当額。現在毎月の積立金納付金が最大6,000Sドルまで。

4

勤労所得控除

上限:55歳未満1,000Sドル、55歳以上59歳以下6,000Sドル、60歳以上8,000Sドル。

障害者の上限:55歳以下4,000Sドル、55歳から59歳まで10,000Sドル、60歳以上12,000Sドル。

5

障害者の兄弟姉妹扶養控除

1人につき5,500Sドル

6

両親・障害者の両親扶養控除

両親と同居している場合は9,000Sドル、同居しない場合は5,500Sドル。

障害者の親と同居している場合は14,000Sドル、同居しない場合は10,000Sドル

7

有資格者・障害者の子供扶養控除

有資格の子供は1人につき4,000Sドル

障害者の子供は1人につき7,500Sドル

8

予備役兵控除

1,500Sドル~3,000Sドル

予備役兵の妻と両親はそれぞれ750Sドル

9

就業母親の子供控除

1人目の子は母親の総収入額の15%2人目の子は20%3人目及びそれ以降の子は25%。全ての子供の総控除額は母親の収入の100%を超えてはいけない。

有資格・障碍者・就業母親の子供控除の合計額は1人につき最高50,000Sドル。

10

祖父母控除

最大3,000Sドルまで

11

外国人メイド控除

1人の外国人家政婦につき家政婦税の2倍相当額

12

配偶者・障害者の配偶者控除

既婚者は最大で2,000Sドル。合法的に別居している者は実際の支出額、または2,000Sドルのいずれか低い方に準じる。

既婚者の障害者である配偶者は最大で5,500Sドル、または実際の支出額のいずれか低い方に準じる。

13

生命保険料控除

上限額は5,000Sドルと積立金納付額の差額、または保険金の7%まで、または払い済みの保険料のいずれか低い方に準じる。

14

補足退職スキーム控除

納税者の絶対収入の15%(絶対収入は17ヶ月分の積立金納付給与の上限を超えてはいけない)。上限額は15,300Sドル。


5.1
受講料等控除(Course Fees Relief)

受講料等控除は、個人能力または職業上の関連技能、知識を向上するために、セミナー、会議又はコースに参加する被雇用者によって利用されるものです。理工学部または大学で勉強しているフルタイムの学生、ワーキングホリデーまたは工業実習に参加している学生、または娯楽目的のコースは当該控除項目を申請できません。

参加するコースを通じて獲得した技能は必ず現職の仕事または業界にある分野に関わるものでなければなりません。コースを提供している教育機構は会計企業規制庁(ACRA)に登録しなければなりません。コース、セミナー及び会議の数を問わず、納税者は年間で最大5,500Sドルの受講料等控除を申請できます。

5.2 受講料等控除(Course Fees Relief)

受講料等控除は、個人能力または職業上の関連技能、知識を向上するために、セミナー、会議又はコースに参加する被雇用者によって利用されるものです。理工学部または大学で勉強しているフルタイムの学生、ワーキングホリデーまたは工業実習に参加している学生、または娯楽目的のコースは当該控除項目を申請できません。

参加するコースを通じて獲得した技能は必ず現職の仕事または業界にある分野に関わるものでなければなりません。コースを提供している教育機構は会計企業規制庁(ACRA)に登録しなければなりません。コース、セミナー及び会議の数を問わず、納税者は年間で最大5,500Sドルの受講料等控除を申請できます。

5.3 CPF拠出金控除(CPF Relief)

雇用されるシンガポール市民または永住者は従業員拠出分、または批准された退職基金または福祉基金に納付した金額に対してCPF拠出金控除を申請できます。リベートの上限は17ヶ月分のCPF拠出金額です。CPF拠出金の上限は毎月6,000Sドルです。

納税者はAIS (Auto-Inclusion Scheme)と呼ばれる電子申告制度に参加しましたら、当該タックスリベートは自動的に控除され、申請・提出が不要です。

5.4 勤労所得控除(Earned Income Relief)

納税者は前年度に仕事、年金、投資貿易、商業活動、専門又は職業による収入を得た場合、勤労所得控除を享受できます。当該リベートは納税者の実際の収益によって自動的に与えられ、その上限が1,000Sドル(55歳未満)、6,000Sドル(55歳以上59歳以下)および8,000Sドル(60歳以上)です。納税者は身体的又は精神的な障害により就労することに影響がある場合には、リベートの上限は4,000Sドル(55歳未満)、10,000Sドル(55歳以上59歳以下)および12,000Sドル(60歳以上)まで引き上げられます。

5.5 障害者の兄弟姉妹扶養控除(Handicapped Brother/Sister Relief)

納税者は前年度においてシンガポールに同居している自分または配偶者の障害者(精神的・身体的)である兄弟・姉妹を扶養する費用は2,000Sドル以上の場合、当該控除を申請できます。もしその他の人がすでに当該障害者である兄弟・姉妹に対する当該控除を申請しましたら、納税者は追加申請できません。納税者は障害者である兄弟・姉妹に対する1人当たり5,500Sドルの控除を申請することができます。

5.6 両親・障害者の両親扶養控除(Parent/Handicapped Parent Relief)

納税者は前年度において自分または配偶者の両親、祖父母又は曽祖父母を扶養する費用が2,000Sドル以上の場合、当該控除を申請できます。身体障害又は精神障害がない被扶養者は前年度において満55歳でなければなりません。なお、被扶養者は前年度における所得が4,000Sドルを超えてはいけません。

同一被扶養者に対する当該控除を申請するその他の納税者がいる場合、納税者全員は控除額の割り当てについて合意に達した後に各自で申請する必要があります。

表4: 納税者は最大2人の被扶養者に対する下記金額の控除を申請できる。

控除項目

両親と同居する場合(SGD

両親と同居しない場合(SGD

両親扶養控除

9,000

5,500

障害者の両親扶養控除

14,000

10,000


5.7 有資格者・障害者の子供扶養控除(Qualifying/Handicapped Chid Relief (QCR/HCR))

納税者は未婚の子女が16歳未満またはフルタイムで通学している場合、有資格者である子供に対する控除(QCR)を申請できます。納税者はその子女が未婚の身体障害者又は知的障害者であり、且つ前年度の所得が2,000Sドル未満の場合、障害者の子供扶養控除(HCR)を申請できます。資格を満たす子供控除は1人当たり4,000Sドルであり、障害者の子供控除は1人当たり7,500Sドルです。

資格を満たす子女の扶養控除(QCR)と障害者の子女の扶養控除を同時に申請することができません。1人の子女に対する控除申請は有資格者の子供控除又は障害者の子供控除のいずれか一つだけを選択できます。夫婦は控除額を共有できます。

5.8 予備役兵控除(NSman Relief (Self, Wife & Parent))

予備役兵を表彰するために、フルタイムの兵役を終えた全ての予備役兵は予備役兵控除を享受できます。控除額は予備役兵が毎年訓練又はその他の活動に参加するか、重要な指揮者を担当するか、又は重要な役割を担うかによります。控除額の範囲は1,500から3,000Sドルまでです。

なお、予備役兵への支持を感謝するために、予備役兵の妻及び各両親に対する控除はぞれぞれ750Sドルを享受できます。予備役兵である子女の人数に関わらず、両親1人当たり最高750Sドルの控除を享受できます。当該控除は国防省の記録に基づき自動的に与えられますので、申請が不要です。

5.9 就業女性の子供控除(Working Mother's Child Relief(WMCR))

既婚・別居・離婚または配偶者と死別した母親は就業している場合には、その子女がシンガポール市民であれば、有資格者の子供控除(QCR)と障害者の子供扶養控除(HCR)のほか、就業女性の子供控除も享受できます。

2009年賦課年度より、就業女性の子供は母親の総収入の15%(1人目の子供)、20%(2人目の子供)、25%(3人目及びそれ以降の子供)相当額の控除を享受できます。子供全員の就業女性の子供控除(WMCR)の合計額は母親の収入の100%相当額を超えてはいけません。有資格者・障害者の子供控除(QCR/HCR)及び就業女性の子供控除(WMCR)の合計額は最高50,000Sドルです。

5.10 祖父母扶養控除(Grandparent Caregiver Relief)

自分・夫・前夫の両親又は祖父母に12歳以下の子供の世話をしてもらった就業母親(既婚・別居・離婚または配偶者と死別したことにかかわらず)は、3,000Sドルの祖父母扶養控除を享受できます。但し、既に他の人に同一両親又は祖父母に対する当該控除を申請されている場合には、就業母親は当該控除を追加申請できません。また、両親又は祖父母は前年度において投資貿易、商業活動、就労を行ってはいけません。

5.11 外国人メイド控除(Foreign Maid Levy Relief (FML))

既婚・別居・離婚または配偶者と死別した女性納税者は、前年度において外国人メイドを雇用しましたら、外国人メイド控除を享受できます。納税者は自分または夫がメイド税(Maid Tax)を支払った場合、外国人メイド1人につきメイド税の2倍相当額の控除を申請できます。

5.12 配偶者・障害者の配偶者控除(Spouse/Handicapped Spouse Relief)

別居中の妻の前年度における生活費(扶養料・離婚後扶養料を含む)が夫によって支払われ、且つその収入が4,000Sドルを超えない場合、夫は「妻控除」を享受できます。妻控除の金額は最大2,000Sドルです。合法的な別居者も当該控除を享受できますが、控除額が実際の支出によって、最大で2,000Sドルを超えません。

障害者の配偶者控除は最大5,500Sドルです。納税者は障害者の配偶者控除、または他の人に当該妻・前妻の名義で当該控除を申請された場合、当該控除を追加申請できません。

5.13 生命保険料控除(Life Insurance Relief)

納税者は前年度の積立金の残高が5,000Sドル以下の場合、自分または妻が購入した全ての生命保険に対する保険料控除を申請できます。最高控除額は5,000Sドルと積立金納付額の差額、または保険金の7%、または払い済みの保険料のいずれか低い方に準じます。

5.14 補足退職スキーム(Supplementary Retirement Scheme, SRS) 控除

納税者は補足退職スキーム(SRS)の口座を開設しますと、控除を享受できます。当該控除は納税者のSRSに基づき自動的に控除され、申請が不要です。SRSの控除額は納税者の絶対収入の15%相当額、且つ絶対収入が17ヶ月分のCPF納付給与の上限を超えてはいけません。

現在、積立金の納付給与の上限は1ヶ月あたり6,000Sドルです。即ち、毎年の絶対収入は102,000Sドルを超えてはいけません。SRS控除額は最大15,300Sドルになります。

第3節 シンガポール税務上の非居住者

1、
非居住者の判定

1賦課年度以内にシンガポールに滞在・就労する日数が183日未満の外国人は、税務上の非居住者と判定されます。その後の特定の賦課年度に、当該外国人は税務上の居住者の判定要件を満たしましたら、税務上の居住者として納税する必要があります。  

税務上の非居住者は1暦年のシンガポール就労日数が60日未満の場合、取得した給与所得については免税となります。但し、当該課税免除規定は会社の取締役、芸能関係者及びプロフェッショナル(専門家、コンサルタントなどを含む)に適用されません。取締役の報酬及びその他の収入は22%の税率が適用され、且つタックスリベートを享受できません。

税務上の非居住者は1暦年のシンガポール滞在日数が61~182日の場合、そのシンガポールで得た所得が課税対象となり、且つタックスリベートを享受できません。その給与所得は15%の税率、または税務上居住者の累計税率のいずれか高い方に準じます。取締役の報酬及びその他の収入は22%の税率が適用されます。

表5: 外国人が税務上の非居住者と判定される税務影響

滞在・就労

税務影響

就労日数60日以下

以下の場合を除き、短期の給与所得が免税の対象となります。

1、会社の取締役、芸能人及びプロフェッショナル

2、シンガポールにおける雇用契約書に基づきシンガポールを離れる。この場合、シンガポール国外でのサービス提供により得た収入を含んでいる全ての収入はシンガポールにおいて全額が課税対象となる)。

3、取締役の報酬及びその他の収入は22%の税率が適用される。

4、タックスリベートが享受できない。

61日~182

1、給与所得は15%の税率、または税務上居住者の累計税率のいずれか高い方に準ずる。

2、取締役の報酬及びその他の収入は22%の税率が適用される。

3、タックスリベートが享受できない。


2、 税務上の非居住者から居住者となる場合

外国人は税務上の非居住者と判定されると、その後の特定の賦課年度において、当該外国人が税務上の居住者の判定要件を満たせば、税務上の居住者として納税する必要があります。税務上の居住者の判定基準は以下のとおりです。
(1)年間183日以上シンガポールに居住する(会社の取締役を除く)
(2)連続した2年度内に183日以上シンガポールに居住し、かつ当該2年度をまたぐ関連雇用契約書を持つ
(3)シンガポールに継続して3年間居住する

実際の操作において納税者は初めて確定申告を行う時に、当該外国人は前課税年度でシンガポールで滞在・就労する日数が183日未満の場合、税務上の非居住者とみなされて確定申告を行います。それ以降の年度に滞在日数などが税務上居住者の判定基準を満たせばIRAS(シンガポールの税務署)に対して税務上居住者の身分として納税することを申請しなければなりません。納税者は、過年度の課税額についてIRASに訴え、過去にさかのぼって更正の請求を行い、払い過ぎた税金を取り戻すことができます。

3、 所得税の税率

表6: シンガポール税務上の非居住者の個人所得税税率表

番号

所得の性質

非居住者税率・源泉所得税率

1

取締役の報酬

22%

2

プロフェッショナル(コンサルタント、トレーナー及びコーチなど)が非居住者身分としてサービス提供により得た収入

総収入の15%又は純収入の22%

3

文化芸術関係者(俳優、音楽家、スポーツ選手など)が非居住者身分として活動に従事することによる収入

10%の軽減税率

4

その他収入(例えば、シンガポール物件の家賃収入)

22%

5

シンガポール市民ではない者が補足退職スキーム(SRS)から引き出した収入

22%

6

利息、特許料収入など

控除後の源泉所得税率(条件によって制限される)

利息: 15% 

特許権: 10%

控除後に源泉所得税率が適用されない場合: 22%

7

退職年金

22%


第4節 税制優遇措置

1、
シンガポール国外源泉所得に対する免税措置

シンガポールの内国歳入庁(IRAS)のガイドラインに基づき、2004年1月1日より、シンガポールで就労する従業員は海外で得た所得が課税対象とならず、個人所得税を納付する必要がありません。海外から受け取った収入は免税となります。但し、以下の場合に国外源泉所得は課税対象となります。

(1)給与所得が海外勤務で得て、且つ当該海外勤務がシンガポールにおける仕事にかかわる。即ち、海外勤務はシンガポールにおける仕事の一部である。
(2)国外源泉所得はシンガポールにおける共同事業を通じて得た収入である。
(3)納税者がシンガポール政府の代表として海外で働く。

2、 非通常居住者計画(NORスキーム)

シンガポール政府は2002年にNORスキーム(Not Ordinarily Resident Scheme)を打ち出しました。当該スキームとは、優秀な人材をシンガポールに誘致することを目的としています。NORスキームの要件を満たしていればそのシンガポールに滞在した日数でその課税所得金額を算出できます。なお、該当者は勤務前所得(pre-assignment income)及び年金積立などの優遇政策も享受できます。

下記の条件を満たす外国人は5年間有効の「非通常の居住者」身分を取得できます。
(1)当該資格を申告する予定である賦課年度に税務上の居住者と認定されなければならない。
(2)当該資格を申告する予定である賦課年度の過去3賦課年度には税務上の居住者と認定されなかった。
(3)シンガポールにおける仕事の都合で暦年で90営業日以上海外で滞在する。
(4)個人の給与所得が最低160,000Sドルである。

NORスキームに基づく居住者である従業員は連続する5賦課年度に以下の優遇措置を享受できます。
(1)時間によって給与所得を計算する
(2)任意加入の海外の退職年金基金または社会保障計画に対する雇用主拠出金は免税となり(特定の場合を除く)、免税限度額が中央積立金(CPF)に規定される「普通」と「追加」の給与の最高納付額までです。

同時に、時間割付の優遇措置は現金補助及び実物支給に適用されます(取締役の報酬及び雇用主が従業員のために納付・負担するシンガポールにおける税金を除く)。

シンガポール政府はその2019年度財政予算案に、現在のNORスキームを停止する決定を発表しました。NORスキームにおける最後の「非通常の居住者」身分が2020年から2024年まで有効です。現在有効な「非通常の居住者」身分はその元の期限まで有効です。

3、 地域代表計画

地域代表計画は、シンガポール国外の会社によって雇用され、その給与が国外の会社によって支払われ、且つその職務責任がシンガポール以外の地区をカバーする者に対する課税減免の計画です。当該者の雇用契約書は複数の国家(地区)をカバーしなければなりません。

地域代表はそのシンガポールでの滞在時間によって課税所得額を計算する必要があります。従って、当該者は必ずその旅行日程表を保存しなければなりません。当該日程表は、毎回シンガポールの入国・出国日付及び目的地などの情報を含んでいます。シンガポールでの滞在日数を計算する時に、1日未満であっても1日で計算します。

地域代表はシンガポールの税務上の居住者とみなされる場合、その課税所得額が累進税率で計算され、且つ納税の各減免措置を享受できます。さもなければ、税務上の非居住者の課税規則が適用されます。

第5節 個人所得税の申告と納付

1、
個人所得税の申告

納税者は毎年3月1日から4月18日までの期間で、シンガポール政府のオンラインシステムを通じて確定申告書を提出することができます。書面で提出する場合、毎年4月15日までに提出しなければなりません。

1.1
AIS (Auto-Inclusion Scheme)

雇用主はAISに加入した場合、被雇用者は雇用主から得た所得に対して申告書を別途提供する必要がありません。雇用主は毎年3月1日にシンガポールの内国歳入庁に対して各従業員の給与所得の関連情報を提出し、これらの情報が自動的にその従業員に対する賦課決定通知書に記載されます。言うまでもなく、もし従業員は内国歳入庁からの課税通知書を受領して、その他の所得税(例えば、家賃収入)に対する申告を要求されましたら、要求によって指定された日付に申告書を提出する必要があります。

1.2 納税申告書提出の通知

シンガポールのIRASによってレター、フォームまたはメッセージで所得税の確定申告書を要求された場合、AISに加入したかどうかにかかわらず、前年度に課税所得があるかどうかにかかわらず、納税者はその通知に記載される指定日付までに確定申告書を提出しなければなりません。

1.3 賦課決定通知書(Notice of Assessment, NOA)

確定申告終了後、納税者は毎年4月末から9月までの間、IRASからの賦課決定通知書(Notice of Assessment, NOA)または税額表(Tax Bill)を受け取ります。一般的に、賦課決定通知書はAISに表示されている所得及び前年度の減免額に基づき税額を計算します。IRASは納税者が関連条件を満たすかどうかによって当該減免を調整するかもしれません。

納税者は賦課決定通知書の正確性を確保することが義務付けられます。もし賦課決定通知書に入っていないその他の収入があれば、または賦課決定通知書の減免が正しくなければ、納税者は賦課決定通知書の発行日から30日以内にIRASに通知する必要があります。

3月1日から4月18日までの期間、納税者はmyTax Portalを通じて自動的に保存された情報を確認し、且つ賦課決定通知書をプレビューすることができます。
(1) プレビュー内容が正しければ、IRASに賦課決定通知書の発行を前倒しするように要求できます。
(2) プレビュー内容が正しくなければ、内容を訂正した申告書をオンラインで提出することができます。

1.4 納税額に対する異議申立て

IRASによる賦課決定通知書に算出された納税額に対する異議申立ては、賦課決定通知書の発行日から30日以内にIRASに書面で行う必要があります。異議申立てには反対する理由がはっきりと記載されなければなりません。もし納税者は指定の期限内に異議申立てを行わなかった場合、IRASが算出した納税額に同意するとみなされ、当該金額が最終的な納税額となります。

2、 税金の納付

納税者は賦課決定通知書の納税額に同意する場合、賦課決定通知書の発行日から30日以内に税金を納付する必要があります。IRASに異議申立てを行ったとしても、IRASの承認がなければ、指定の期限内に税金を納付しなければなりません。

シンガポールの内国歳入庁は納税者に対して多種多様な支払い方法を提供しております。その中で、内国歳入庁が一番おすすめするのはGIRO (銀行口座自動引落)です。GIROを通じて個人の銀行口座から税金が自動で引き落とされ、操作が早くて便利であり、分割納付することも可能です。GIROを初めて利用する納税者は、Master
GIRO Application Formの記入・提出が必要です。


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