本稿で言及される「クライアント」とは、会社の実質的支配者又は当事務所に会社の設立を要求する人、又は実質的支配者が会社の組織構造を任意の立場で指定または参加する人を指します。これらの人はクライアントによって紹介される可能性があり、当事務所によって管理・雇用されません。

クライアント様は、オフショア会社のために選択できるオプションサービスが多いです。これは、新しく購入した車がより安全、快適且つ便利になるようにオプションの設備を設置することに類似します。従って、最適な正しい配置を選択することは重要です。個人や企業の業務状況はそれぞれ異なりますので、すべての人に合うサービスの組み合わせはありません。あるクライアント様にとって最適な状況は、別のクライアント様にとっては危険かもしれません。

適切な配置と管理方法を備えたオフショア会社は、資産を保護し、業務効率を向上させ、コストを削減し且つ会社の機密性を維持することができます。不適切な配置を備えたオフショア会社は、その所有者及びその事業に災難をもたらします。本稿では、様々なオフショア会社のサービスをわかりやすい方法で説明します。

1. 一般比較
   
   一部または全部のオプションサービスの必要性は、クライアント様の実際の状況によって異なります。クライアント様は、会社設立サービスを注文する前に自分の状況を考慮する必要があります。会社の組織構造には、次のサービスが含まれる可能性があります。
   
   

   基本的な会社	サービス一式を利用する会社
   〇初回設立	〇初回設立
   〇登録住所	〇登録住所
   〇登録代理人	〇登録代理人
   	〇名義株主（信託）
   	〇名義取締役
   	〇メール・FAX転送サービス
   	〇郵便物転送サービス
   	〇電話サービス

   
   
2. 基本的な会社
   
   このような会社は最もシンプルな配置を有し、最も基本的なサービスだけが必要です。最初の会社設立と書類準備のほか、また必要なサービスは登録住所と登録代理人だけです。
   
   登録住所と登録代理人は、当地の最も基本的な強制サービスです。法律により、すべての国際商業会社は、その設立国/地域に現地の住所（登録住所）と法定代理人が必要です。登録代理人は、実質的に会社の所有者と政府との間の仲介者です。代理人は、その立場で会社の政府登記所での年次更新を毎年手配します。このサービスは、当事務所の最も基本的なサービスとみなされます。それがなければ、会社は合法的に存在することができないからです。
   
   

   （1）	株主 基本的な会社では、クライアント様は株主及び取締役として直接登録されます。従って、クライアント様の情報は、会社の所有者及び実質的支配者として表示されます。サービスプロバイダ（登録代理人や当地代理人）が情報の機密を保持することは厳しい規定によって要求されても、第三者（銀行など）はこのような情報を調べることができます。 このような秘密漏洩の抜け穴は若干の法的問題を引き起こす可能性があります。直接オフショア会社の株主として登録される場合、責任者と会社との直接かつ明白な関係が築かれます。
   （2）	取締役 基本的な会社では、クライアント様はまた会社の取締役を兼務します。このポジションにつくクライアント様は、自ら会社を経営します（銀行口座のログイン、請求書の発行、あらゆる契約書や手紙の署名などを含む）。株主と同じように、オフショア会社の取締役を務めることは同じ問題を引き起こす可能性があります。法律によると、オフショア会社はクライアント様の内国会社と関連するとみなされる場合があります。さらに、オフショア会社の取締役を務めることは、会社の管理と管理場所に関する重要な法的問題ももたらします。
   （3）	外部通信 基本的な会社では、クライアント様は会社の登録住所を使用して日常業務のメールを送受信することができません。これは、登録住所はこの目的のために使用されるものではないからです。それは会社が使用する当地の電話番号やFAX番号を含みません。従って、会社の所有者は、オフショア業務の通信のために自分の個人またはビジネス施設を使用する必要があります。これは混乱を引き起こす可能性があり、会社が本当に「オフショア」会社であることも明確に示します。

   
   これらの欠点があるにもかかわらず、基本的な会社は、世界中に移動する必要がある一部の自営業者にとっては依然として役に立つ可能性があります。彼らはオフショア会社を国際的な活動のための独立した企業機構としてのみ使用します。場合によっては、このような所有者は、オフショア会社の株主及び取締役として登録されることを心配する必要がないかもしれません。特別なケースでは、彼らは最低の維持費と非常にシンプルな会社構造を享受できます。
   
   基本的な会社のデメリットを回避したいクライアント様にとって、オプションサービス（名義株主や名義取締役サービス等）を使用することは解決策かもしれません。
   
   
3. オプションサービス
   
   

   （1）	名義株主（信託） 受託者（名義株主）は、受益者（委託者）によって会社の株主として任命される第三者です。 （a）運営モデル 会社の株式は、当事務所に関係のない第三者（受託者）の名義で正式に設立されます。当該者は通常、この目的だけのために設立、使用される、当事務所又は当事務所の信頼するパートナーが管理する別の法人（他の会社）です。 特別な追加書類は、クライアント様のデータの安全性を保持し、且つ真の所有権を明確にします。これらの書類には、代理人サービス契約、信託声明又は事前に発行された株券及び株式譲渡フォームのセットが含まれる場合があります。これらの書類は機密性が高いものとみなされます。 （b）優位性 所有者の身元を調べられるすべての場合にも、名義株主は所有者として表示されるので、受託者は会社の所有者として直接表示されることはありません。従って、クライアント様は所有権についてはオフショア会社と距離を保ちます。同時に、クライアント様は会社の所有権に関連する機密文書を提示することで自分が会社の所有者であることを証明することができます。
   （2）	名義取締役 名義取締役は、取締役によって会社の取締役として任命される第三者です。 （a）運営モデル 当事務所は、会社の取締役として登録されるための無関係の第三者を提供します。当該第三者は、自然人でも法人（管理会社）でも可能です。 クライアント様の業務状況に応じて、取締役は会社の様々な日常業務を遂行します（例：書類、手紙、請求書などの作成）。必要に応じて、クライアント様は授権書または決議を通じて会社の管理機能を柔軟に割り当てることができます。 クライアント様の資料の安全性と制御権は、特別な追加書類によって維持されます。これらの書類には、管理サービス協議及び事前に署名された退職状が含まれているかもしれません。これらの書類は厳重に秘密扱いとされます。 （b）優位性 会社の取締役の身元を調べられるすべての場合にも、会社書類に示される取締役はクライアント様と関係のない第三者だけです。名義取締役は、定期的に会社の実際の業務に参加して、会社の独立した運営のイメージを維持することができます。同時に、クライアント様は、会社の所有権に関連する機密文書を提示することで自分の会社に対する制御権を証明することができます。
   （3）	バーチャルオフィス （a）運営モデル 会社は、設立国・地域に会社の営業住所（FAXと電話を含む）を置くことができます。このサービスは、クライアント様のために会社のメールや電話を処理し、又はクライアント様の指示に従って書類を作成・郵送し、且つ会社設立時又は設立後に選択できます。バーチャルオフィスのサービスの詳細については、当事務所までお気軽にお問い合わせください。 （b）優位性 正式な住所、電話番号及びFAX番号を持っていない会社は不審と思われます。他の住所（クライアント様の自宅など）で作業するのは疑わしいと思われ、会社に法的な結果をもたらす可能性もあります。バーチャルオフィスはこれらの問題を解決しました（オフショア会社に実体のイメージを築く）。このサービスは、電子メールやファックスを安全かつ機密に送受信でき、有効な電話番号及び住所で会社の存在を示します。あらゆる第三者にとって、会社は設立地で確かに存在するように見えます。

   
   
4. デューデリジェンス（顧客確認）ルールの説明
   
   長年にわたり、一部のクライアント様は、オフショア会社の設立及び名義取締役の任命を通じて、オフショアサービスプロバイダが会社の業務状況をまったく知らない状況で、会社の活動を完全にコントロールすることを望んでいます。
   
   しかし、近年、マネーロンダリング（資金洗浄）防止を目的とした現地の法律は、オフショア会社設立の業務に大きな変化をもたらしました。現在、オフショア会社管理人は、クライアントの身元及び会社の業務性質と詳細を完全に知る必要があります。
   
   まず、オフショアサービスプロバイダは、クライアントの身元及び連絡先情報の詳細な証明書類を必要とします。そして、特により多くのオプションサービスを利用される場合、オフショア会社管理人は、クライアントの目的を確認することに加えて、かつクライアントが特定の組織構造を築くことで詐欺、汚職又はその他の犯罪活動に従事しているかどうかを確認する必要があります。管理人はまた、会社の活動が合法であるが「デリケートな」産業（例：武器の取引）として定義されているかどうかを確認します。
   
   クライアントの目的を確認してこそ、管理人は会社の運営モデルに同意します。
   
   オフショアサービスプロバイダによる名義取締役などのオプションサービスを利用する場合、クライアント様は、当該取締役の責任が他の取締役の責任とまったく同じであることを理解しておく必要があります。会社の取締役は、会社の良好な企業管理を継続しなければなりません。従って、クライアント様との十分な協力は重要です。
   

参考資料：
英領バージン諸島既存会社設立パッケージ、英領バージン諸島会社の設立手続きと年間維持
ベリーズ会社設立の手続きと費用
マーシャル諸島国際商業会社設立の手続きと費用
ケイマン諸島免税会社設立の手続き及び費用