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シンガポールの私立教育機関開設ガイド

シンガポールの私立教育機関開設ガイド

人的資源に恵まれているシンガポールは世界一流かつ好評の教育体系があります。公立学校は新移民の中でますます人気が高まっています。外国人留学生は学生ビザ(Student’s Pass)を取得した後、シンガポールの学校に行くことができます。教育省(MOE)は公立学校に行きたい外国人留学生に対して、毎年9月・10月に学生募集活動を行っています。

公立校以外にも、多くの私立学校またはインターナショナルスクール(インター校)は、シンガポールに分校を設立し、子供たちの母国と似たようなコースを提供し、多くの新移民からも歓迎されています。例えば、シンガポールの地元有名校のACSインターナショナル、 Hwa Chongインターナショナル、SJIインターナショナルなどは、自分のインターナショナルスクールを設立し、中等教育及び高等教育を提供しています。

1.
シンガポールの私立学校

シンガポールの私立教育法(Private Education Act)に基づき、10人以上の教育を提供する教育機関は教育省(MOE)に登録され、かつ全てのコース及び教師を教育省へ登録しなければなりません。

以下の教育機関が該当します。

(1)主流の学校が教授する授業科目を教える学習塾(Tuition Centre)
(2)学習センター(Enrichment Centre)
(3)語学・音楽・ダンス・芸術学校(学生にそれぞれの専門技術の公式認定証を取得するためのコースを提供する)

私立校は主流の小学校、中学校または大学に取って代わることができません。

私立校は以下のコースを開設する場合、私立教育審議会(Committee of Private Education,CPE)に登録しなければなりません。

(1)卒業証書、学位課程、またはある形式の短期大学の証明書を提供する
(2)教育省の主流の学校による入学試験またはクラス分け試験、または校外試験のために全日制の準備コースを提供する
(3)海外課程または国際課程に従う全日制の小・中学校教育を提供する
(4)私立特別支援学校

2.
ライセンス類別

シンガポールで私立教育機関を開設するには、2種類のライセンスがあります。一つは、教育省に登録される学校登録証明書(Certificate of Registration of School)です。もう一つは強化登録枠組み(Enhanced Registration Framework ,ERF)に基づき、私立教育審議会(CPE)に登録される私立教育機関登録証明書(Registration of Private Education Institutions)です。


  1. 学校登録証明書(Certificate of Registration of School)

    当該ライセンスは私立学校を登録するために使われます。ライセンスを取得した学校は、GCE試験及びビジネス・ビジネス研究、計算機教育、語学、美術、学習塾、学習センター及びインターナショナルスクール(インターナショナル幼稚園も含む)に関するコースを提供することができます。私立教育審議会(CPE)に登録する必要がある学校は、当該ライセンスの登録が不要です。

    全てのライセンスの登録・更新はCorpPassを通じてGoBusiness Licenseにログインしてから行うことができます。私立学校の新規登録をする場合、最大10コース及び10人の教師を登録することをお勧めします。その後、追加登録はできます。

    教育機関が申請したライセンスは有効期限がありませんが、新しい分校または私立学校を開設する時には改めて登録しなければなりません。また、学校は教師、コース、学校名および学校の住所などの情報を直ちに更新する必要があります。

    MOEへの登録内容は以下の通りです。

    (1)
    学校名

    私立教育機関の経営を事業目的とした独資企業、パートナーシップ企業または会社を設立する場合、その私立学校の名称はシンガポールの会計企業規制庁(ACRA)に登録された会社の名称と同じにしなければなりません。 

    (2)
    コースと教師

    新しいコースまたは教師はGoBusiness licenseに登録されなければなりません。新しいコースを開講する前に、または新しい教師が授業をする前に、学校は、コース開講の承認レターまたは教師任職の承認レターを取得しなければなりません。

    (3)
    管理委員会

    管理委員会の役割は、教育法の規定及び学校定款の規定の遵守を確保することです。管理委員会のメンバーのいかなる変更があっても、既存の学校登録証明書に対する修正を申請しなければなりません。

    (4)
    建築

    教育活動に使用する全ての建築物は都市再開発庁(Urban Redevelopment Authority ,URA)の批准を受けなければなりません。都市再開発庁による建築物の書面による用途変更許可(Written Permission for “Change of Use”)を含み、改築若しくはレノベーションの計画は関係部門(HDB、FSSDまたはBCAなど)の批准を取れる可能性が高いですので、ご注意ください。私立学校の建物は、教室以外にも学生・来客用オフィス、行政エリア、受付・待ち合わせスペース等を入れる適切な面積を持つ必要があります。

    (5)
    必要書類

    (i) 火災安全シェルター局(FSSD)によって批准されたフロアプラン(間取り図)

    (ii) 火災予防証書(Fire Safety Certificate)

    (iii)  都市再開発庁(URA)または住宅開発庁(HDB)の書面による許可

    (iv)会計企業規制庁(ACRA)による最新のBizfile(登記簿謄本)

    (v) 私人有限会社の定款

    (vi)教育省が要求するフォーム

    • 管理委員会フォーム
    • 委任状、または管理委員会のメンバー任命の取締役決定書
    • コース詳細の概要
    • 教師登録フォーム
    • 学校の定款

    (vii)課程報告書(教育省が規定しているシラバス(授業計画)以外のコースの場合)

    (viii)取締役及び教師の身分証またはパスポートのコピー

    (ix) 教師の学歴証明書(英文表記が必要)

  2. 私立教育機関登録証明書(Registration of Private Education Institutions)

    私立教育審議会(CPE)に申請した私立教育機関登録証明書は更新する必要があります。学校は、登録要求を継続して満たすとともに、信用格付けの最低限の要求を満たす必要があります。CPEは基準に基づき、更新申請を批准するかどうかを判断します。

    (1)
    会社組織

    私立学校はシンガポールの会計企業規制庁(ACRA)に登録された会社、または協会登記所(Registry of Societies)に登録された団体でなければなりません。

    2
    場所

    私立学校の場所は関係部門の批准を得なければなりません。CPEの許可を受けた後、その場所で経営活動及び改築を行うことができます。

    3
    管理者

    私立学校の管理者は関係要件を満たさなければなりません。私立校のマネージャーは会社の取締役であり、または協会管理委員会のメンバーです。

    管理者の役割と責任は、下記の通りです。

    (i) 課程管理記録を5年以上適切に保存することを確保する

    (ii)廃校前に在籍している全学生に通知し、かつ学校閉鎖日の30日前までに学生たちが別の登録された私立教育機関で同様のコースまたは似ているコースを受けることを手配する

    (iii)CPEに年次報告書を提出する

    4
    学術委員会

    学術の質及び厳密性を保つ政策および手続きを制定し、且つその実施、遵守および審査を確保するために、私立校は学術委員会を設置しなければなりません。私立校の学術委員会は最低3名以上の私立教育法の要件を満たしたメンバーで構成される必要があります。

    5
    試験委員会

    自ら開発したコースの試験及び評価を管理するプロセスを制定・実施するために、私立校は試験委員会を設置しなければなりません。外部で開発されたコースは、外部開発者または全員が指定する手続きで検査・評価される必要があります。私立学校の試験委員会は、最低3名以上の私立教育法の要件を満たしたメンバーで構成される必要があります。

    6
    コース

    私立校として登録される学校は、CPEに承認されたコースを最低一つ有しなければなりません。当該コースの認定証または卒業証書(GCE-Aレベル、修士を含む)の提供・授与は、私立校が自分の名義のみでしか行えません。私立学校は自分の名義で短期大学士、学士または修士の学位を授与することはできません。私立校は、海外教育機関と連携を行い外部の学位課程を提供できますが、これらの教育機関がCPEの設定した基準に達したことを前提としています。海外の教育機関は、私立校が提供する外部の学位課程と国内学校の学位課程とは同じであることを確約する必要があります。

    7
    教師

    教師は、配置されたコースを教授するために、最低限の学歴及び職歴を有しなければなりません。私立教育機関は、教師がシンガポールの承認した学術資格を有することを確保する必要があります。

    8
    必要書類

    (i)  会計企業規制庁(ACRA)による最新のBizfile(登記簿謄本)

    (ii)  共有場所契約書(もしあれば)

    (iii) 都市再開発庁(URA)または住宅開発庁(HDB)の書面による許可    

    (iv) 外部学位課程の確認書、資格認定証または認可書

    (v)  シラバス(認定証または卒業証書、外部学位課程)(もしあれば)

    (vi) 火災予防証書

    (vii) 火災安全シェルター局(FSSD)の批准した間取り図

    (viii) 管理委員会リスト

    (ix)  管理者申告書

    (x)  学生契約書の見本

    (xi) 卒業証書の見本

    (xii) 全業界課程費用保護(industry-wide course fee protection ,IWC)または費用保護計画(fee protection scheme ,FPS)またはエスクローを購読した証憑(適用される場合)

    (xiii) 経理書類・信用格付け

3. 資格認証

学校開設の最も基本的な要求さえ満たせれば教育省に登録することはできますが、学校の名誉、信用を高めるために、知名度の高い認証機関による認証を申請することをお勧めします。


3.1
EduTrust認証スキーム

EduTrust(エデュトラスト)とは、私立教育審議会がシンガポールの私立教育機関を評価する質保証スキームです。当該スキームは高品質の教育サービスを保持している私立学校、及び学生が良い成績を取らせるために継続的な改善を行う私立学校を区別することを目指すものです。外国人留学生を受け入れる私立学校はすべてEduTrust認証を取得する必要があります。私立教育機関や学校は、EduTrustサポートスキーム(EduTrust Support Scheme ,ESS)を通じてEduTrust認証の資金援助を得られます。 EduTrustサポートスキームは資格に該当するすべての教育機関に最高26,500シンガポール・ドルの補助金を提供します。


3.2 SQC(シンガポール・クオリティ・クラス)認証

当該認証を取得すると、学校は好印象を与えることができます。しかも、SQC認証を有した教育機関の学生は学生ビザ取得の成功率が比較的高いです。

啓源のシンガポール事務所は、私立教育機関の設立及びコンサルティングのサービスを提供しています。詳細は当事務所の専門コンサルタントにお気軽にお問い合わせください。

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