概要

セーシェル特別ライセンス会社（Special Licence Company：CSL）は、セーシェル国際事業管理局（Seychelles International Business Authority：SIBA）によって特別に認定された税務上の現地法人です。税率は会社の全世界所得の1.5％です。1972年に制定されたセーシェルの会社法により、当該会社は元々普通の現地法人でしたが、セーシェル国際事業管理局の特別ライセンスを得た後、ユニークな税務上の地位及び追加のプライバシー保護条項が付与されました。

セーシェル特別ライセンス会社は、より安価な方法で会社を設立し、税金の納付を厭わない投資者にとって最も良い選択肢の1つになります。

セーシェル特別ライセンス会社は、当局と他国と締結している租税条約を享受することができます。外国の税務上の優遇措置又は一部の軽減措置により、セイシェルで実際の税率は0％になる場合もあります。

1. セーシェルの租税条約
   
   

   （1）	セーシェル共和国は、いくつかの租税条約を締結し、且つその他の国々に交渉しています。
   （2）	既に租税条約が締結されている国には、中国、アラブ首長国連邦、オマーン、キプロス、マレーシア、インドネシア、南アフリカ、モーリシャス、ベトナム、タイ、ボツワナ、カタール、ベルギーが含まれます。
   （3）	ロシア、エジプト、クウェート、チェコ共和国、チュニジア、ナミビア、バーレーンとの交渉が完了しました。
   （4）	交渉中の国には、フィリピン、マルタ、ブルンジ、コートジボワール、レソト、モロッコ、ウガンダが含まれます。
   （5）	租税条約は、利息、配当、ロイヤルティについてより低い源泉所得税の税率を確立し、セーシェル特別ライセンス会社が低税率でパートナー国に投資して事業を行うことができるようにします。

   
   
2. セーシェル特別ライセンス会社の用途
   
   セーシェル特別ライセンス会社は、セーシェルの2003年（特別ライセンス）会社法に適用されます。以下の事業に従事する会社は、セーシェル国際事業管理局が発行する許可を取得しなければなりません。
   
   

   （1）	資金運用・コンサルティング（紹介ブローカーを含む）
   （2）	オフショアバンキング（バンキングライセンスの別途申請が必要）
   （3）	オフショア保険業（保険業ライセンスの別途申請が必要）
   （4）	投資サービス
   （5）	マーケティング
   （6）	知的財産権
   （7）	フランチャイズ
   （8）	人的資源
   （9）	本社又は持株会社としての運営
   （10）	セーシェル国際貿易地域ライセンス（International Trade Zone License）に基づいき運営し、指定される特別ライセンス会社

   
   
3. 管理
   
   二重課税を回避するための鍵のほとんどは、会社の管理にあります。納税の滞納や誤解が発生しないように、租税条約を締結している国の税務顧問と相談することをお勧めします。
   
   啓源は会社の構造に応じて異なるレベルの管理支援を提供することができます。具体的には以下の通りです。
   
   

   （1）	バーチャルオフィス・サービス（電話、ファックス、郵便物）
   （2）	現地の自然人たる取締役の就任
   （3）	現地の会社秘書役の就任（当事務所の現地で認可されているパートナーが提供する）
   （4）	会計（記帳、インボイスの整理）
   （5）	銀行口座の開設と管理
   （6）	当事務所のパートナーである公認会計士による監査サービス

   
   
4. キャピタルゲイン
   
   セーシェルにはキャピタルゲイン税はありません。さらに、不動産からの利益等の例外を除き、租税条約を締結している国・地域のほとんどは、証券取引によって生じた利益及びキャピタルゲインに対して源泉所得税を課しません。
   
   
5. プライバシーと守秘義務
   
   セーシェル特別ライセンス会社は、設立の時に関係当局に詳細情報を提供する必要がありますが、普通のセーシェル会社と同じ、その実質的支配者、取締役、株主又は役員の身分及び情報を開示する必要がありません。また、秘密文書の取扱い及び関連データの保護に関する非常に厳格な現地の法規制もあります。
   

参考資料:
セーシェル会社設立の手続きと費用
セーシェル特別ライセンス会社の特徴の要約

ダウンロード： セーシェル特別ライセンス会社（CSL）の概要 [PDF]