英領バージン諸島の信託法は、英国のコモン・ローの影響を強く受けており、英領バージン諸島では「VISTA信託」と呼ばれる「2003年バージン諸島特別信託法」を制定しました。VISTA信託は、非慈善目的の信託の代替案として存在しています。

信託は、本質的に法的手段の1つです。英国法の発展に基づき、当該手段によって、資産の法定所有権は受託者に帰属し、同時に、受益者の利益で委託者の確定を通じて信託基金の使用権が留保されます。以下では、VISTA信託に含まれるさまざまな重要な機能について紹介します。 

1. 適用範囲
   
   VISTA信託はすべての英領バージン諸島信託に適用されなく、信託文書に明確な規定がある場合にのみ適用されます。
   
   この信託の最低1名の受託者は、当地の「銀行及び信託会社法」に基づき許可を取得した英領バージン諸島商業会社または私的信託会社でなければなりません。個人または非英領バージン諸島会社は、VISTA信託の共同受託者であることが可能です。
   
   
2. 秘密保持
   
   当地の「設立及び記録法」に基づき、英領バージン諸島の信託が設立義務を免除され、その受託者がいずれの報告及び届出等の要求も免除されるため、高度の機密性は確保されています。
   
   
3. 免税
   
   英領バージン諸島信託は諸島におけるすべての税金を免除されます。但し、条件は、諸島の居住者である受益者がいない、且つ管轄区域内に業務に従事していない、あるいは土地を所有していないことです。 
   
   
4. 富を守る
   
   信託は、家族の特定の資産（企業を含む）の所有権の継続性を維持するために使用できます。資産の合法的な所有権を受託者に帰属させることにより、関係者は資産から利益を得続け、且つ所有権の分散を避けることができます。
   
   
5. 継承
   
   信託の役割は、委託者の決済した資産の所有権を除くことです。従って、財産付与者の死亡後、信託基金を処理するには、遺言書の検認証明書または類似手続きの承認は必要ありません。従って、信託は、財産付与者の実質的所有権の譲渡に有効な手段を提供しています。
   
   受託者は、指定株式を無期限に保有し、または会社の取締役又は信託契約書に指定される者の同意を得た上で指定株式を処分することができます。
   
   
6. 資産保護
   
   信託は会社の地元資産をオフショア資産に転換し、且つ所有権に追加の保障を提供することができます。
   
   信託は高いリスクの影響から資産を保護することができます（例えば、委託者の財産がその国籍国によって没収または徴用される場合）。
   
   
7. 管理責任
   
   受託者の監視、取締役の行動への干渉、及び英領バージン諸島会社に属する信託の管理権をコントロールするために、VISTA信託は受託者の権限の一部を完全に除き、または制限することができます。
   
   信託株式は受託者に会社の支配権を与えますが、受託者は英領バージン諸島会社に関連する管理責任から脱離できます。従って、会社の業務を留保し、取締役が適切と考える方式で経営することができます。