セイシェルには、特別ライセンス会社（Special Licence Company：CSL）及び国際商業会社(International Business Companies：IBC)の2種類のオフショア会社があります。会社を設立する際に、投資者は設立する会社の種類を慎重に選択する必要があります。本稿は会社の種類を選択する際に注意すべき点について説明します。本稿はあくまでご参考程度にすぎませんが、最終的な選択として取り扱わないでください。

特別ライセンス会社（CSL）

投資者が税率が高い、且つ規制が厳しい地域で開業しようとする場合、特別ライセンス会社は最も優先される選択肢です。それらの地域は、国際商業会社を対象とした金融政策を実施する傾向がありますが、特別ライセンス会社を対象とした金融政策を実施する可能性が低いです。

国際商業会社と異なり、特別ライセンス会社はセイシェルで納税し、税務上の居住者として登録する必要があります。従って、会社が税務登記を完了すること及び現地の納税者であることを証明する必要がある場合、特別ライセンス会社はその要件を満たすことができます。特別ライセンス会社は、二重課税を回避するという投資者の要求に該当することができます。上記からみて、現地に拠点を置くイメージを持ち、現地の納税者であり、セイシェルで実際に登録・運営されていると見なされるため、特別ライセンス会社は賢明な選択です。一方、特別ライセンス会社は複雑な性質を持つため、設立及び維持の費用が比較的高いです。但し、特別な状況では、特別ライセンス会社がベストの選択になります。

国際商業会社（IBC)

監督管理が比較的少なく、会計監査の規定がないため、国際商業会社は個人事業主及びビジネスモデルが簡単な投資者に適しています。当該投資者は、ほとんど又は全ての時間を居住地以外での個人向けサービスに使用します（例えば、経営コンサルタント、ネットワークエンジニア、ソフトウェア開発エンジニア、又は短期間で出国して事業を行う専門家）。同様に、当該投資者の主な事業は、居住地に限定されるのではなく、インターネット企業のように世界各地にあります。

同じ状況で、会社の唯一又は主要な事業が他のオフショア会社と同じである場合（通常は商品の国際貿易）、投資者は国際商業会社を設立するほうがいいです。事業所の所在地が複雑でない「management and control」税法を採用する場合、関連要件に該当するには国際商業会社が十分です。最後に、税務計画の目的がない場合、国際商業会社は複雑な税務計画を行う必要がありません（例えば、会社は個人資産を保護するためのツールにすぎない場合、又は特定の資産や投資を保有している場合）。

上記の特徴を比べると、維持手続きがより簡単で、費用がより低い国際商業会社はベストのの選択かもしれません。必要な政府料金が低い、且つ会計記帳や決算申告の義務及び複雑な組織構造がないため、国際商業会社の設立や維持の費用も低いです。

必要な場合、国際商業会社は特別ライセンス会社に変更することができます。

国際商業会社と特別ライセンス会社の特徴や相違点は下表の通りです。

特徴	国際商業会社	特別ライセンス会社
英語表記	International Business Company	Special License Company
根拠法律	1994年国際商業会社法	1972年会社法 2003年会社（特殊ライセンス）法
会社の税率	0%	1.5%
二重課税回避の要件	該当しない	該当する
税務上の居住者	該当しない	該当する
取締役の最低人数	1	2
法人取締役	可能	不可
株主の最低人数	1	2
払込資本金の最低金額	1米ドル	法定の資本金額の10％
現地秘書役	不要	必要
会計記帳と決算申告	不要	必要
ペーパーカンパニー	ある	ない

ダウンロード： セイシェルの国際商業会社と特別ライセンス会社の相違点 [PDF]