外商投資商業領域管理弁法
2004年4月16日、中国商務部は「外商投資商業領域管理弁法」(以下「管理弁法」という)を発行しました。2004年12月11日以降、外国投資家は中国においてコミッション代理、卸売、小売に従事する独資企業を設立でき、設立の要件も引き下げられました。さらに、2004年12月11日以降、外国投資家が投資した卸売・小売企業の設立に対する制限も解除されました。
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外商投資商業企業とは
管理弁法第3条により、外商投資商業企業とは、外国投資家が設立したコミッション代理、卸売、小売、特許経営に従事する企業です。特許経営が外商投資商業企業の承認された事業範囲の1つですが、管理弁法第19条により、特許経営に従事する外資系企業は政府が公布したその他の関連法を遵守しなければなりません。従って、、特許経営に関するより具体的な規制が間もなく公布されると予想されています。外商投資商業企業の承認された事業範囲について、下表をご参照ください。
小売
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商品の小売
自営商品の輸入
中国国内商品の購入・輸出
その他の関連する付随サービス
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卸売
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商品の卸売
コミッション代理(競売を除く)
商品の輸出入
その他の関連する付随サービス
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特許経営
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他人に特許経営権を付与してチェーンストアを開設させる
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外商投資商業企業の設立要件
管理弁法第7条により、外商投資商業企業を設立するには以下の要件に該当する必要があります。
(1) 登録資本金及び総投資額は外商投資企業の設立要件に該当しなければならない。
(2) 経営期限が30年を超えてはならない(中国の中西部地区で設立された外商投資企業の場合は40年を超えてはならない)。
外商投資企業はチェーンストアを開設する場合、以下の追加用件に該当する必要があります。
(1) 店舗開設申請と同時に外商投資商業企業の設立を申請する場合、都市発展及び商業発展の要件に該当しなければならない
(2) 登録後に店舗開設申請を提出する場合、(1)に加え、登録資本金を全額払い込んだこと、及び政府管轄機関の年度連合検査に合格したことを確保しなければならない。
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行政措置
3.1 2004年12月11日以前、外商投資企業は省都、自治区首府、直轄市、計画単列市及び経済特区でのみ小売店舗を設立することができました。2004年12月11日以降、当該地域制限は撤廃しました。
3.2 出版物の配布、ガソリンスタンドでの精製油の小売、医薬品の販売、自動車の販売に従事する外商投資企業は、関連する中国政府の規定を遵守しなければなりません。
3.3 特定の業界に対するその他の規制
(1) 卸売業に従事する外商投資企業は、2004年12月11日以降、医薬品・農薬の経営が承認され、2006年12月11日以降、化学肥料・精製油・原油の経営が承認されます。
(2) 小売業に従事する外商投資企業は、2004年12月11日以降、医薬品・農薬・精製油の経営が承認され、2006年12月11日以降、化学肥料の経営が承認されます。
(3) 卸売業に従事する外商投資企業は塩・煙草を経営してならず、小売業に従事する外商投資企業は煙草を経営してなりません。
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香港・マカオの投資家に対する特別な規制
管理弁法第25条には、香港・マカオの投資者に対する特別な規制があります。2004年1月1日以降、CEPAによって認定された香港・マカオの投資家は、中国で外資系独資企業を設立することができます
香港・マカオの投資家は以下の要件に該当する場合、自動車の販売に従事する外資系独資企業を設立することができます。
(1) 申請日前3年間の平均年間売上高が1億米ドルを超えている
(2) 申請日前1年間の総資産額が1000万米ドルを超えている
(3) 登録資本金が1000万米ドルを超えている(中西部の場合は600万米ドル)
香港・マカオの永住者は個人商工業者を設立して小売業に従事することができますが(特許経営を除く)、小売店舗の延べ床面積が300平方メートルを超えてなりません。