2024 年より台湾の最低賃金の引き上げ
台湾の労働部の発表によると、2024年1月1日以降、最低賃金を現行の26,400台湾元から27,470台湾元に引き上げて、4.05%の1070台湾元増となりました。さらに、時給ベースでは176台湾元から7台湾元増の183台湾元となりました。
労働部の更なる説明によると、物価及び国民生活物資の上昇率を最低賃金の引き上げ率に反映すべきであり、労働者の生活保障の確保が最低賃金の目的もあり、重要な国民生活物資の上昇率が相当な影響を及ぼしているとのことです。今回の最低賃金の引き上げは消費者物価指数の上昇率、17品目の重要な国民生活物資の上昇率、経済成長率、及び社会全体の経済情勢を踏まえたものです。
なぜ最低賃金を定めなければなりませんか?最低賃金の目的は、労働者の生活保障による購買力の維持と経済成長の恩恵を労使双方で共有し、国民の消費力及び自信を強め、国内需要をあげることにあります。
台湾の「労働基準法」の第 21 条により、賃金は使用者と労働者との間で決められ、最低賃金を下回ってはいけません。最低賃金とは勤務時間内の労働に対する報酬であり、長時間・休暇・祝日・週末等の勤務時間外の労働を含みません。最低賃金の規制は従業員が勤務時間内での労働で生活を保障できるようにすることを目的としています。
台湾では出生率の低下、社会の高齢化、労働力の減少などによる深刻な労働力不足問題が起きています。労働力不足が常態化すると、企業側は残酷な現実に直面せざるを得ません。賃金構造の調整や労働環境の改善が現在解決しなければならないことです。