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2017 年米国税制改革法以降の飲食代・娯楽費に関する税控除

2017 年米国税制改革法以降の飲食代・娯楽費に関する税控除

内国歳入法 (IRC) で定義されているように、「エンターテイメント」とはナイトクラブ、劇場、スポーツ・イベント、狩猟、釣り、その他旅行中に参加したイベントのようなレジャー活動又はレクリエーションを指します。そして、「飲食」とは、さまざまなビジネス活動に伴って発生した広い飲食代をカバーできます。

「減税・雇用法」(TCJA)が発表される前、納税者はレクリエーション・娯楽またはそのような活動を主催する施設に使用した費用が自分の貿易や事業に直接関連若しくは関係があることを証明できれば、その出費が控除対象となっていました。ただし、控除制限額は総費用の 50% にとどまり、その他の50% は恒久控除対象外となります。 TCJA の発効後、全てのレクリエーション活動、娯楽、およびそのような活動を主催する施設に関する出費は税額控除対象外となりましたが、飲食代には控除制限額の50%がまだ適用されます。

  1. TCJA が発効された後に制定された内国歳入法第 274 条

    第 274 条は、飲食や交際費、ビジネス上の贈答品、出張の濫用という背景で制定されました。交際費控除は2017年のTCJAによって廃止され、特定のビジネス目的の食事に対する控除に疑問も出てきました。飲食および娯楽に関する費用に影響を与える第 274 条の規定には、次のものが含まれます。

    (1)
    第274 条 (a) に基づき、娯楽、レクリエーション、及び社会活動に関する出費が控除対象外となる一般規則が制定されました。

    TCJA の第 274 条 (a) によると、全ての娯楽イベント及び1978 年以降のレクリエーション活動施設が控除対象外とされます。さらに、社交クラブ、運動クラブ、またはスポーツ・クラブや協会に支払われた会費も控除対象外となっています。ただし、ビジネスリーグ、業界提携、貿易委員会、専門職団体(弁護士会など)、市民団体や公共サービス団体などの組織はこの限りではありません。

    さらに、飲食及び娯楽に関する出費の控除制限例外には、雇用主の敷地内で従業員に提供される飲食費、精算経費及び主に従業員(一部の高額報酬従業員を除く)の娯楽、社交イベントその他の同類イベントという従業員に使用した娯楽費、従業員、株主、取締役のビジネスミーティングに直接関係する支出及び公衆向けのプログラム(セミナーなど)といった例外もあります。

    (2)
    第 274 条 (d) に基づき、特定の食事および娯楽支出には厳格な証明要件が求められます。

    納税者は出費額、時間、場所及び目的、費用受領側との業務関係など詳細情報が含まれる記録または証拠を提出しなければなりません。

    (3)
    第 274 条 (e) に基づき特定の飲食支出に対し、 100% 控除規則が変わっていません。クライアントまたは顧客に販売した飲食、従業員に提供した飲食且つそれを課税対象の福利厚生として記録されていること、待合室などで一般の人々に無料で提供される食事といった飲食支出は当該規定を適用します。

    (4)
    第 274 条 (k) に基づき規定された例外を除いてビジネス目的の食事は贅沢又は浪費であってはならず、且つ納税者または納税者の代理人が食事に同席しなければならない。

    (5)
    第 274 条 (n) に基づき、従業員の為の娯楽支出のような規定の重要な例外を除き、特定の飲食及び娯楽出費の控除制限額は50%となります。

    (6)
    第 274 条(o)に基づきTCJAが発効された後、雇用主が運営する飲食施設に関連する支出など特定の食事および娯楽は2025 年以降の課税年度に控除対象外となります。

  2. TCJA に基づき控除対象となる飲食代

    2.1
    業務上の飲食代

    TCJA により、最小限の付加福利厚生とみなされる特定の業務上の飲食代の控除制限額を 100% から 50% に引きさがりました。最終規則および通知 2018-76 に要求されるように、下記の要件に該当すると、業務上の飲食代は控除対象となります。

    (1)  当該飲食代は合理及び必要なものであり、且つ、課税年度中に貿易又は業務を行う際に支払われた又は発生したものです。

    (2)  当該飲食代は贅沢又は浪費によるものではありません。

    (3)  納税者(または納税者の従業員)が同席しなければなりません。且つ食品又は飲み物が現在または潜在的なビジネス顧客、顧客、コンサルタント、または同様の取引先担当者に提供されるものでなければなりません。

    2.2
    娯楽活動による飲食代

    TCJA が発効された以降、「娯楽費」は控除対象外となりましたが、通知 2018-76 とそのあとの最終規則では、領収書又は請求書に食べ物や飲み物の金額に関しては別途記載されている場合に限り、娯楽活動に伴う飲食代は相変わらず控除対象となります (ただし、控除制限額は50%以内となる )

    2.3
    会社会議を行う際に伴う飲食代

    TCJA が発効された以降、会社会議に伴う飲食代に対し控除額は 50% のままでした。ただし会社会議は第 274 条 (a) に規定された例外となり、それに伴うレクリエーション施設が全額控除の対象となります。

  3. TCJA に基づき控除対象となる娯楽費


    (1)
    会社の節日会食や社員の旅行にかかる娯楽費

    TCJA の可決は、会社の節日会食や夏のピクニック等その他の会社のイベントに関する控除も再検討になりました。下記のような活動は引き続き法律に基づいて全額控除の対象となります。

    (1)    内国歳入法第 274 条(a)(1) には、娯楽費が控除対象外と規定されています。ただし、従業員(高報酬従業員を除く)の利益のために行われた娯楽・社交イベント又はそのようなイベント(施設を含む)は第 274 条(e)(4) に規定された例外となります。

    (2)    さらに、第 274 条(n)(2)(A) により、当該娯楽費が第 274 条(n)(1) の50%の控除制限を適用せず、即ちTCJA 後も、引き続き100% 控除に該当します。

    (2)
    クラブや協会の会員費

    TCJA が発効される以前でも、クラブや協会の会員費に対し控除制限がありました。

    (1)  TCJA が発効される以前は、社交クラブ、運動クラブ、またはスポーツ・クラブに支払われた会費は一般に控除対象外でした。ただし、それが納税者の業務活動と関連する場合に控除対象となる例外規定があります。ビジネス、娯楽、レクリエーション、その他の社交目的で成立されたクラブに納めた会員費は控除対象外ですが、民間団体はこの限りではありません。

    (2)  TCJA が発効された以降は、納税者の業務活動に関連するかどうかにかかわらず、社交クラブ、運動クラブ、またはスポーツ・クラブに支払われた会員費又は費用は全部控除対象外となります。ビジネス、娯楽、レクリエーション、その他の社交目的で成立されたクラブに納めた会員費は相変わらず控除対象外ですが、民間団体はこの限りではありません。

    (3)
    交通費

    規則では、娯楽活動に関連する交通費は娯楽費として扱われるため、TCJA の発効後、全ての娯楽活動に関連する交通費は控除対象外と変わりました。非娯楽目的の交通費は通常、全額控除を適用します。例えば、ビジネス食事会に参加する際に発生した交通費は娯楽費とみなされず、控除対象となります。

  4. 控除対象となる最小限の付随飲食代及び娯楽費

    TCJA が発効される以前は、雇用主によって提供された軽食や残業弁当 (夜食代) 等最小限の付随飲食および娯楽費は旧第 274 条(n)(2)(B) に基づき全額控除の対象となりました。ただし、TCJA により、重要な変更点は下記の2点になります。
    (1)
    TCJA により旧第274(n)(2)(B) の 50% 制限の例外が削除され、最小限の付随飲食および娯楽費が 50% 制限の規定を遵守しなければなりません。。
    (2)
    2025 年以降の課税年度に、新第274(o) により、最小限の付随飲食および娯楽費の控除規定が廃止されます。

参照:
https://www.irs.gov/newsroom/tax-cuts-and-jobs-act-a-comparison-for-businesses
https://www.irs.gov/pub/irs-drop/n-18-76.pdf
https://www.irs.gov/newsroom/irs-issues-final-regulations-on-the-deduction-for-meals-and-entertainment
https://www.irs.gov/newsroom/irs-updates-guidance-on-business-expense-deductions-for-meals-and-entertainment

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