中国企業域外直接投資ODI(Overseas Direct Investment)の
備案(届出)又は認可の取消
近年、海外市場を開拓するために海外で会社又は支店を設立する中国企業が増えている。海外での会社又は支店をプロジェクトの終了などの理由で解散する場合、国内企業はすでに取得済の域外直接投資(ODI)の備案若しくは認可を取り消さなければなりませんか?この質問に関しては、商務部門、外貨管理局と発展と改革部門はそれぞれに規定を定めました。詳細規定を下記のように説明します。
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商務部門
以下のいずれかに該当すると、中国国内企業は、管轄商務部門に域外直接投資(ODI)の備案または認可について取消手続きを行わなければなりません。
(1) 「企業境外投資証書」又は「企業境外機構証書」が失効になった場合。「企業境外投資証書」又は「企業境外機構証書」を取得してから2年以内に域外投資をしなかった場合、当該証書らが当然に無効となると商務部門に規定されています。
(2) 海外の会社または支店機構が解散された場合。
(3) 国内企業は所属の海外会社の株式または権益の100%を海外の企業、組織または自然人に譲渡した場合。
根拠法:「境外投資管理法」第 17 条(商務部令2014 年第 3 号)
域外投資の備案又は認可を終了する際、投資現地の法律に従って解散手続きを完了した後、備案又は認可を申し込んだ商務部若しくは省級商務主管部門にその旨を報告しなければなりません。商務省(MOFCOM)または省商務局にその旨を報告しなければなりません。当該商務部又は省級商務主管部門は報告書に基づき取消確認書を発行します。
終了とは、すでに備案又は認可を取得済の海外会社が消えていくか又は株式その他の権利および権益を放棄するかということです。
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国家外貨管理局
域外直接投資の外貨為替登録をしたことがある国内企業は、備案又は認可を出した商務部その他関係部門から取消確認書を受け取った後、外貨管理局に域外直接投資の外貨為替登録の取消手続きを行わなければなりません。
根拠法: 国家外貨管理局が2009 年に発行した「境内機構境外直接投資外貨管理規定」第 10 条
国内機関の保有する海外会社の株式が株式譲渡、破産、解散、清算、営業終了などの事由により消却される場合、国内機関は域外直接投資担当部門に関する書類を入手してから60日以内にそれらの書類を現地の外国為替管理局に提出し、域外直接投資の外貨為替登録の取消手続きを行わなければなりません。
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発展と改革委員会
国家発展と改革委員会外国投資部が2020年5月に発表した「境外投資準備案百問百答」によると、国内企業が投資額を減らしたり、海外投資プロジェクトを中止または撤退したりする際、完全に投資プロジェクトが完了している場合は、変更手続きは要りません。一方、海外投資プロジェクトが完了していない場合、国内企業は「企業境外投資管理方法」(国家発展と改革委員会令第11号)第34条に従い、備案又は認可を出した部門に変更手続きを行わなければなりません。
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