香港進出のマニュアル
本稿は、香港で起業し、低税率の事業活動を経営する際に考える必要な各事項を理解させ、香港で外資系企業の設立や成長に関する情報を提供することを目的とします。当事務所はお客様が起業するのに最も適した事業形態の選択、及び会社登記所での会社設立にお役に立てば幸いです。会社登記所が署名済みの会社設立書類を受領した日から7~10営業日以内に会社設立は完了します。香港の法律及びビジネスについて、当事務所は法的助言が提供でき、香港・中国本土・台湾・シンガポール・イギリス領バージン諸島・ベリーズ・セーシェル等での会社設立が支援できます。
当事務所は起業しようとする方の香港進出も支援できます。香港で事業活動を行うには、香港で商業登記を行わなければなりません。当事務所は香港での関連する設立手続きを支援し、名目的取締役・名義株主、領収書の発行、信用証やビジネス書類の処理、郵便箱や電話の登録、郵便物の転送、会計記帳等のサービスも提供しています。
香港会社設立-香港でオフショア会社を設立
香港は1997年7月1日以降中華人民共和国の特別行政区になりました。香港は英国の完備した法律を受け継いでいます。低い税率、一流の管理制度、独立する司法、厳しい腐敗防止対策は全て、国際企業を香港に誘致する重要な要素です。
香港では非公開株式会社、保証による有限責任会社、パートナーシップ又はリミテッド・パートナーシップが設立できます。また、香港以外で設立された外国会社は、香港『会社条例』第XI部に従って支店を設立することもできます。
香港及び香港会社の権利を理解するために本稿を読むことをお勧めします。当事務所は香港会社設立に関する手続きに支援し、会社設立後に会社の書類をお客様の指定した住所に郵送します。
お客様は本稿及びその他の啓源の見積書を通じて当事務所の会社設立パッケージに含まれる各サービスの内容及び費用、香港会社の年間維持費及び設立要件を確認できます。
お客様との緊密な連携を目指しておりますので、初回のお問い合わせを無料で提供します。当事務所は必要な全てのサービスが提供でき、手頃な価格で楽な会社設立手続きをお客様に完了させます。
啓源は、全面的で、秘密性の高い香港企業管理サービスが提供できます。当事務所は個人や法人に幅広い財務及び行政サービスを提供し、お客様の香港での国際や現地のビジネス活動の進行を全力で支援します。競争力のある価格で長期的で優秀なサービスを提供するのは当事務所の務めです。当事務所のサービスは以下の通りです。
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香港及びその他のオフショア地域での会社設立
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全面的な企業管理
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登録住所、営業所、郵便物転送、ビジネス・センター(特定の区域のみ)
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会計記帳
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領収書の再発行
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資産保全に関するコンサルティング
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企業設立
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名義株主、名目的取締役、会社秘書役
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法的書類の作成や提出
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決議書の作成
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会社登録抹消
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会社清算
お客様は啓源を委託し、非公開有限責任会社又は保証による会社を設立しようとする場合、下記の説明をご注意ください。お客様は啓源の名目的取締役、名義株主、秘書役、授権書の作成等のサービスが必要な場合、当事務所にお問い合わせください(メール:
info@kaizencpa.com、電話:+852 2341 1444)。
当事務所によって提供される事業計画、法律又は税務に関する助言を通じて、お客様は香港で起業するか否かを決定できます。会社設立前に、お客様は株主、取締役や高級管理職の名簿を作成し、会社の組織形態を決定する必要があり、且つ関係者全員の同意を取得しなければなりません。
お客様の申請を受けた後、啓源は会社設立についてお客様の担当者を指定し、お客様と相談します。お客様のご支払(政府規定費用も含む)を全額受領した後、啓源は会社設立手続きを開始し、会社書類(定款、印章、株等を含む)の作成に支援します。お客様はいつでも啓源のウェブサイトに見積書を確認することができます。
当事務所は会社書類をお客様の指定した住所に郵送します。計画通りに進んだ場合、お客様は7営業日以内に全ての会社書類を受け取ることができます。書類を受け取った後(即ち、会社設立手続きが完了した)、お客様は香港の法律により会社の権利を行使することができます。啓源は会社の名目的取締役を務める場合、会社書類の正本及び印章を保管し、定款の写しをお客様に渡します。
サービス費用は啓源のウェブサイトに記載してあります。お客様のご支払を受領しない限り、お客様との契約関係を構成しません。啓源はお客様の海外会社の設立代理人ですが、会社登記所が会社設立の申請を承認するということが保証できかねます。また、そのような契約義務を負いません。会社登記所が設立申請を拒否した場合、啓源はサービス費用の一部をお客様の口座に返金し、お客様との契約関係を解除します。さらに、設立書類が会社登記所に提出された後、会社登記所は設立申請の取消し及び提出書類の還付等のサービスを提供しません。従って、啓源はお客様のために提出した書類を取り戻すことができず、関連する費用も返金できかねます。
香港進出の事業形態
香港では、企業は有限責任会社、リミテッド・パートナーシップ又は独資企業の形で事業を行う場合が多いです。コモン・ローを採用する地域とする香港では、信託は広く認められて使用されています。香港の会社法及び信託法は英国のものとほぼ同じです。事業体は2014年の香港新会社条例によって規制されています。具体的には以下の通りです。
香港株式会社
香港会社は登録資本又は払込資本の最低限度額が制限されていません。「額面金額」の概念が無くしたため、会社は異なる金額で株式を売却しますが、無記名株式を発行することができません。会社は配当可能利益から自社株を買い戻し、且つ名義株主・名目的取締役・秘書役が使用できます。取締役は最低人数が1名であり、法人(公開会社を除く)もなれます。全ての会社は1名の秘書役が必要です。秘書役は個人でも法人でもなれますが、香港の居住者又は香港会社でなければなりません。会社の会議は世界各地でも開催できます。会社は毎年、監査済み財務諸表及び年次申告書を提出しなければなりません。非公開会社の定款は株式の譲渡制限を規定し、メンバー(従業員を除く)の人数を50人以下を限定する必要があり、且つ株式又は社債の公募を禁止しなければなりません。外国会社は香港に移転できず、香港会社も海外に移転できません。
海外会社の支店
香港において業務を経営する海外会社は、非公開株式会社に加えて、上記の規定に従って香港で支店(「非香港会社」とも呼ばれる)を設立こともできます。海外会社は香港で支店を設立する際に、会社定款の認証済み写し、会社設立証明書の写し及び申請書(取締役・秘書役の情報、会社の代わりに通知を受け取る香港居住者の氏名と住所、香港での主要営業所等を記載する必要がある)を会社登記所に提出する必要があります。
他の事業形態と比べ、支店の設立手続きはより簡単です。但し、香港の法律上に支店は独自の法人でないため、海外会社はより大きな責任を負う可能性があります。一部の国・地域では、海外親会社にとって、支店は有限責任会社と比べて税務上の優位性があります。香港が源泉地主義を採用しているため、香港支店は有限責任会社と同じ、香港源泉所得が課税対象となります。
リミテッド・パートナーシップ
リミテッド・パートナーシップは『リミティッド・パートナーシップ・ファンド条例』に基づいて設立されます。同法により、リミテッド・パートナーシップはパートナーの最大人数が20人であり、ジェネラル・パートナー(general partner、以下「GP」という)及びリミティッド・パートナー(limited partners、以下「LP」という)で構成されます。GPは1名以上が必要であり、パートナーシップに対して無限責任を負います。GP以外のパートナーはLPであり、その未払いの出資額を限度として責任を負います。パートナーシップが存続している間に、LPは減資又は退出したり、パートナーシップの管理をよく介入したり、第三者に法的拘束力を有したりすることができません。それ以外の場合、LPはGPと見なされ、GPの責任を負います。リミテッド・パートナーシップは『リミテッド・パートナーシップ条例』に基づいて設立される必要があり、それ以外の場合にパートナーシップと見なされ、パートナー全員が無限責任を負わなければなりません。全てのパートナーシップは『商業登記条例』に従って商業登記証を取得しなければなりません。毎年の商業登記料は2,250香港ドルです。
香港で会社を設立する理由
香港が低税率の地域であるため、香港会社は現地利益の8.25%~16.5%のみの利得税を納付する必要があります。香港政府は香港をアジア商業センターとして積極的に推進し、香港で設立されて香港以外の場所で事業を行う企業に免税を提供しています。お客様のビジネスモデルが免税の要件に該当する場合、啓源は豊富な経験をもってお客様の免税申請を支援します。要するに、歴史が長くて名声が高い香港は、各機関からのネガティブリストに含まれておらず、同時に税率が低い、中国ないしアジアで効用の最も高い商業地に発展しました。最も重要なことは、企業は香港で事業活動を行う際に、タックスヘイブンのような優遇税制を享受できる一方、タックスヘイブンのマイナスイメージを避けることです。
香港の会社法及び信託法は英国のものとほぼ同じです。香港では、企業は有限責任会社、リミテッド・パートナーシップ又は独資企業の形で事業を行う場合が多いです。コモン・ローを採用する地域とする香港では、信託も広く理解されて使用されています。香港経済の成功の主な要因は、差別のない低税率、即ち香港源泉所得のみが課税対象となることです。香港は、中国に近いため、過去から現在まで欧米諸国の中国における貿易・投資の中継港としてよく使用されています。
香港が主要な積み換え及び中継のセンターであるため、それらの活動は香港の銀行及び資本調達等のビジネスサービスの発展を強く促進しています。香港は2000年6月に『the Organized and Serious Crimes (Amendment)
Ordinance』を発行し、金融業界の透明性を向上させます。当該条例により、両替商及び振込代理人はマネーロンダリング防止対策に従い、顧客の身分確認及び20,000香港ドル以上の取引記録の保存等の規定を遵守しなければなりません。当該条例は、犯罪者が銀行以外の金融機関を利用してマネーロンダリングを行うことを防ぐのに役立ちます。
香港には国際商業会社(IBC)がなく、有限責任会社のみがあります。有限責任会社は非公開有限責任会社と公開有限責任会社に分けられています。公開有限責任会社は主に上場に使用されます。会社の定款を変更することにより、非公開有限責任会社は公開有限責任会社に変更できます。
香港税制
香港は源泉地主義を採用しており、香港源泉所得のみに対して課税し、香港以外の源泉所得に利得税を課しません。
源泉地主義は明確ですが、特定の場合に論議を呼ぶ可能性があります。源泉地主義の適用を明確にするために、このマニュアルは源泉地主義について簡単に説明し、各種類の企業に適用される要件を説明するために例を挙げます。
香港は会社の利益の源泉地によって判断し、香港で事業、専門又は業務に従事することにより発生した利益について源泉地主義を採用しています。利得税の課税対象は香港に発生する利益又は香港源泉所得のみです。簡単に言えば、香港で事業を経営し、香港以外から利益を得る者は当該利益に対して香港で納税する必要がありません。香港は、全世界所得(海外の利益を含む)に対して課税するその他の国と違います。
利得税の納付に必要な前提条件
『税務条例』により、全ての者は香港で事業、専門又は業務を経営することにより、香港で生じた利益又は香港源泉所得に対して、利得税を納付する必要があります。香港源泉所得については、より詳細な説明が必要であり、利益の源泉地の判断基準を理解しなければなりません。数年前から、裁判所は利益の源泉地の判断について詳細な調査を実施してきました。権威ある裁判所の判決から以下の原則が形成されました。
(1)基本的な事実
利益の帰属の判断は難しいです。あらゆる状況に通用できるルールはありません。利益が香港で発生するか香港源泉なのかは、利益の性質及びそれを生じる取引の性質によって異なります。
(2)事業の考査
一般的には、納税者がどこでどのように利益を稼ぐかによって判断します。即ち、正しいやり方は、関連する事業利益がどのように発生し、関連する事業がどこで行われるかを確認することです。
(3)取引の粗利益
香港で生じる利益か香港以外で生じる利益かについては、個別の取引から生じた粗利益によって区別されます。粗利益を直接発生する活動の場合のみには利益の源泉を考え、一般的な行政活動等の場合には無関係です。
(4)意思決定の場所
日常の投資及び決議の意思決定が行われる場所は利益の源泉地を決定する要素の1つに過ぎませんが、決定的な要素ではありません。
(5)海外の事業
企業は香港以外で利益を稼ぐために海外に営業所を設立することができます。海外に営業所を設立していないことは全ての利益が香港源泉所得であるというわけではありません。但し、多数の場合、営業所が香港にあり、海外に営業所がない企業は事業利益が香港利得税の課税対象となります。
(6)貿易会社の利益
貨物及び商品の貿易収入の源泉地の判断基準は売買契約書が発効する場所です。「発効」とは、契約の履行・交渉・締結・執行を指します。
(7)全ての事実
裁判所はMagna Industrial Co. Ltd.とCIRのケースの判決を行った後、適用範囲のより広い方法が必要であることを判明しました。即ち、利益の源泉地を確認するには、貨物の売買に加えて、全ての関連する事実を考える必要があります。
(8)無関係な事実
利益の源泉地を確認する際に、オフィスの賃貸、従業員の雇用、営業所の設置等の貿易活動に直接関係しないことは無関係な事実と見なされます。
(9)一般慣行
売買契約が香港で発効する場合、その利益は香港で課税されなければなりません。売買契約が香港以外で発効する場合、その利益は香港で課税される必要がありません。売買契約が香港で有効であるかどうかに関係なく、最初に利益は香港で課税されると想定されます。
但し、利益の源泉地を確認するには、全ての事実を調査する必要があります。香港の顧客に商品を販売する場合、売買契約は香港で発効すると見なされます。売買契約は香港を離れる必要がなしに発効する場合(例えば、電話又はインターネット等を通じて取引を行うこと)、香港で発効すると見なされます。その場合に、貿易による所得は香港で納税される必要があり、配分もできません。
(10)売買に係る仲介料とサービスの源泉地
企業が製品の販売や仕入れについて媒介をし、仲介料を取得する際に、仲介料を生じる活動は委託者の間の取り決めであり、仲介料の源泉地は仲介業者の活動を行う場所を表します。当該活動は香港で行われる場合、仲介料は香港源泉所得に分類されます。
委託者の所在地、仲介業者の特定方法、仲介料の取得前後に偶発的な活動が行われる場所は、通常、仲介料の源泉地を確認する基準ではありません。香港で業務を経営している者は香港以外で事業活動を行い、仲介料を得る場合、当該仲介料に対して香港で納税する必要がありません。
(11)事前裁定(Advance Ruling)
上記をまとめると、事業利益の源泉地を確認することは簡単ではありません。源泉地主義の適用をより明確にするために、税務局は1998年4月以来、事業利益の源泉地について利得税の事前裁定を提供しています。当該サービスは有料です。事前裁定を行う前に、納税者は詳細情報を提供しなければなりません。詳細については、香港告士打道税務局税務ビル14階1号室のアシスタント局長にお問い合わせください。
香港は多くの事業体が設立された場所です。毎年設立される5万社の香港会社のほとんどは香港で実際の事業活動を行う貿易会社です。従って、香港会社の優位性の1つは租税回避の手段と見なされません。
香港の利得税
2018年3月29日以降、香港は2段階税率を実行しました。会社の200万香港ドル以内の課税所得は税率8.25%で利得税が課され、200万香港ドルの超過分は16.5%で利得税が課されます。会社は3月31日に終了する課税年度中又はその課税年度の会計年度中に香港源泉所得に対して利得税を納付する必要があります。外国会社の支店は香港会社と同じ手続き及び税率で利得税を納付しなければなりません。会社は香港で注文を受け入れる代わりに、香港以外で商談し、契約書を締結する場合、その全ての利益が海外からの利益であるため、利得税の納付が不要です。香港会社は他の国の買手から信用状を受領し、その信用状又は相殺信用状を香港又は東南アジアの仕入先に転送する場合、その得た差額が利得税の課税対象となります。
香港会社設立
啓源は香港、中国ないしアジアで会社を設立・管理するためのワンストップサービスを提供しています。当事務所は6年以上のコンサルティング経験を持っており、会社設立や管理について効率的で低コストのサービスを提供します。当事務所のサービスは、お客様のニーズに合わせてカスタマイズすることができ、且つお客様のビジネス秘密を保持します。当事務所はお客様のニーズを満たすために複数の香港会社設立パッケージを提供しています。啓源は専門知識及びサービスの質を確保しながら費用対効果の高い価格をお客様に提供します。当事務所はサービス費用を受領した日から24時間以内に委託を処理します(週末の場合を除く)。香港では、会社は「有限責任会社」、「保証による有限責任会社」、「無限会社」に分けられており、それぞれの長所と短所があります。当事務所の経験豊富な専門チームは香港会社設立を支援します。
啓源は専門的且つ全面的なサービスが提供でき、具体的に有限責任会社・無限責任会社の設立、会社秘書役、会計記帳、税務申告、監査、経営支援、登録抹消、清算、香港・海外会社設立コンサルティング、取締役会・株主総会の招集、議事録作成、年次申告書の作成・提出、取締役・秘書役の変更、株式譲渡、会社名の変更、登録住所の変更、株主割当が含まれています。
香港会社の設立手続きについて、お客様は予定の会社名・株主・秘書役・取締役・登録住所等の情報の記入した会社設立ファームを当事務所に提出する必要があります。その後、当事務所は2~3営業日以内に予定の会社名が登録可能か否かを確認します。当事務所は、会社の定款、会社設立フォーム、初任取締役や秘書役の委任書、初回取締役会の書面決議書等の書類を作成し、お客様に提供します。お客様は上記の書類に署名し(日付が不要)、当事務所に返送する必要があります。当事務所は設立書類を会社登記所に提出し、商業登記証を申請します。会社設立証明書及び商業登記所を取得した後、当事務所は会社設立書類一式(印章を含む)をお客様に郵送します。お客様は書類を取得した後、正式に事業を行うことができます。手続きは2週間以内に完了できます(書類の郵送時間を含まない)。
2003年7月2日、香港立法会は『2003年会社(改正)条例』(以下「2003年改正案」という)を通過し、2006年に『会社条例』(以下「新会社条例」という)を全面的に改正しました。新会社条例は2014年3月3日に発効しました。新会社条例には多数の2003年改正案の条項が含まれています。上記の2回の改正は株主の権利を強化し、株主や取締役に対する規制を変更し、手続きを簡素化しました。以下の内容は、2003年改正案や新会社条例の変更点、影響(特に『中国本土・香港経済貿易緊密化取り決め』(以下『取り決め』という)に対する影響)、及びいくつかの未解決の問題について論じます。
2003年改正案や新会社条例の改正は会社法改革常務委員会(以下「常委会」という)の長く続けられる仕事であり、内容が複雑であり、常に議論を呼びます。
取締役
2003年改正案は非公開会社の取締役が1人のみが必要だと認めますが、非公開会社の取締役が1人しかいない場合に取締役が秘書役を兼任すると認めません。また、当該条例は名目的取締役の定義を規定しています。
メンバー(株主)
2003年改正案は非公開会社の株主が1人のみが必要だと認めます。
役員と監査人の保険の加入
2003年改正案により、会社は役員又は監査人のために保険を加入させることができます。保険加入後、会社は役員又は監査人が業務上の怠慢、失職、背任、権利濫用、過失、詐欺行為によって法的責任を負わなければならないことを避けることができます。また、役員又は監査人が業務上の怠慢、失職、背任、権利濫用、過失により、刑事訴訟又は民事訴訟における異議から招く法的責任を避けることもできます。
株主の権利
2003年改正案は会社の全てのメンバーに一身専属権を付与しました。株主が定款の条項を強制的に執行するには当該条項について訴訟を起こすことができます。取締役は株主の特別決議(3分の2以上の同意が必要)でなく、普通決議(半数以上の同意が必要)を通じて解任することができます。会議中の決議の要件について、「5%以上の議決権を保有すること」又は「100名の株主が出席すること」の要件を「2.5%以上の議決権を保有すること」又は「50名の株主が出席すること」に引き下げられました。
法定宣言書と供述書
2003年改正案は法定宣言書の提出という要件を簡単な供述書による宣言に変更しました。
常委会が非公開会社に対する制限を緩和するという意思は2003年改正案に反映されました。但し、香港政府は会社が国際規格に従って事業を行うことも重視し、香港が依然として社会及び国際から信用できる地域というイメージを確保します。2003年改正案の施行前に、香港会社に対する制限により、一部のオフショア実務者はオフショア地域で国際活動を行うことができませんでした。香港会社の取締役や株主が1人でもなれるという規定は、香港がカリブ海諸国等のオフショア地域と比べる競争力を向上する重要なステップです。
常委会は、会社が無記名株式を発行できるか否かを検討しました。株主人数の要件は1人までに緩和しましたが、香港会社が無記名株式を発行できるという提案は最終的に拒否されました。マネーロンダリング防止対策室が無記名株式の発行について非常に懸念しているということを考慮すると、拒否は香港にとって有益だと考えられます。
1人の取締役で構成され、無記名株式を発行できない香港会社はオフショア実務者にとってより魅力的であると考えられます。これらのオフショア実務者は、その顧客(特に国際商業会社)に様々なサービスを提供します。また、2003年改正案のオフショア実務者が香港会社を通じてサービスを提供することに対する制限は、『取り決め』に応じてさらに強化されます。『取り決め』は中国と香港の貿易・投資の連携関係を強化することを目的とします。
『取り決め』の優遇措置は香港会社のみに適用されます。中国の急速な経済発展は世界各国の注目を集めています。国際企業は中国市場に参入し、中国とビジネスを行っています。香港で会社を設立しようとする国際企業にとっては、『取り決め』は世界貿易機関(以下「WTO」という)のWTOルールを享受する機会を提供します。中国は、WTOに加入する数年前にWTOルールの実施を同意しました。
従って、株主や取締役に対する制限を緩和した2003年改正案及び『取り決め』の影響により、オフショア実務者は香港会社を通じて世界各地又は中国国内において中国と事業を行う可能性があります。2003年改正案は喜ぶ法律ですが、多くの実務家は解決すべき問題がまだいくつあると考えています。例えば、香港会社は会計記録を保存し、損益計算書と貸借対照表を監査人によって監査され、株主総会に提出されて審査される必要があります。多くの実務家は、所得又は資産が一定額未満である非公開会社は監査が免除されるべきであると考えています。それは多くの国・地域で通常ですが、それを却下する理由が少なくとも3つあります。
第一に、一部の実務家は任意制度と比べて強制的な監査制度が香港をより信頼できる地域にできると考えています。この考えは、香港にとっては一定の価値がありますが、非公開会社の運営維持支出にとっては優しくありません。
第二に、会計業界は香港で大きな影響力を持っています。監査が免除された後、会計業界は多くの収入を失うことになります。香港公認会計士協会が立法会のメンバー等を利用して、免除提案の通過を全力で妨害すると一般に考えられています。税務局及び香港公認会計士協会の政治上の影響力を考えると、小規模企業の年次監査要件が短期的に免除されることは不可能です。
2003年改正案の施行前に、香港会社は2名の取締役が必要です。香港は非公開会社が法人を取締役として委任することを認めます。従って、多くの香港会社の創設者は取締役の要件に該当するために、自分を取締役うちの1人として委任し、同時に他の法人をを取締役うちのもう1人として委任します。従って、香港の多くの小規模企業が少なくとも1人の法人である取締役を持っていることは珍しくありません。
一部の実務家は法人である取締役を禁止すべきであり、法人である取締役が会社の透明性の欠如に繋がり、且つ濫用されていると考えています。彼らは個人である取締役のみを認めるという規定が香港の信頼性を向上させるとと考えています。会計士は監査サービスに加えて、その顧客に法人である取締役サービスを提供することも通常です。特に税務局との税務問題がある場合に明らかに利害関係の対立があるため、会計業界は法人である取締役の禁止という提案を反対しました。但し、2003年改正案により、香港会社の取締役は1名のみであることができ、さらに、新会社条例により、1名の個人である取締役が必要です。従って、近い将来、法人である取締役の役割が基本的に無くなると言えるため、法人である取締役は禁止される可能性が高いです。しかし、会計業界の影響により、その変化は遅滞する、又は妨げられる恐れがあります。
香港会社は1名の現地の秘書役が必要です。会社秘書役は会社の法定記録を保持したり、議事録を作成したりすること等を担当し、通常、登録住所サービスも提供します。さらに、秘書役は会社の年次申告書を会社登記所に提出します。一部の実務家は、秘書役が香港で居住又は設立する必要である制限により、香港非公開会社が不必要な維持費を負い、且つ商業登記料の納付要件が既に課されていると考えています。また、香港の競争関係にある国・地域はそのような要件(現地の秘書役)がありません。一方、多くの実務家は年次申告書の提出及び会社の法定記録の保存のために、秘書役の役割が必要だと考えています。さらに、会計士が秘書役サービスを提供することは通常のやり方だと考えている人も少なくありません。
会計業界の影響力に加えて、年次申告書の提出が毎年に発生する義務であるため、秘書役の要件は将来廃止される可能性が低いです。改善できる点がまだいくつあると考える人はいますが、多くの人は現行の2003年改正案及び新会社条例を喜んでいます。競争が激化する会社設立手続きにおいて、既存の条例は既に重要な変更を提供しました。過去の法律の発展スピード及び香港の既得権益層の影響を考えると、現行法律は短期内に変更することが不可能です。いずれにしましても、2003年改正案及び新会社条例は今後数年間で香港にプラスの影響を与えるでしょう。
会社の定款細則は会社の主要な法的書類であり、会社名・初期資本金・株主・目的・社内管理制度・日常業務の規範等の条項を含みます。会社設立の際に、又は設立後、会社は定款細則の変更について会社登記所に申告する必要があります。定款細則には、最低1名の株主の氏名が記載され、且つその株主が最低1株を引き受けています。新規会社は、会社名の承認を取得するために、会社登記所に定款細則を提出しなければなりません。会社登記所からの会社設立証明書を取得した後、会社はその日に開業できます。全ての手続きを完了するには約5営業日かかります。香港会社をより早く所有したいお客様のために、当事務所は直ぐに使用できるシェルカンパニーのリストを用意しています。規制している特別な用語を商号として使用しようとする場合、支店又は駐在員事務所を設立することができますが、「有限責任会社」という用語を商号に付けることができなくなります。定款細則は中国語又は英語で表記され、会社名・株主の有限責任・設立際の株主資本・株の種類等を含む必要があります。また、定款は社内管理制度(特に株主が権利を行使する方法、取締役の人数・権利、株式譲渡の方法等)を規定しなければなりません。
株主資本は特定の通貨で表記される必要があります。無記名株式は発行できません。通常、株主資本は香港ドルでも外貨でも表記され、且つ複数の外貨で支払うことも認められています。株の種類に対して特に制限はならず、普通株・優先株・無議決権株式・議決権株式は発行できます。特に指示がない限り、当事務所は1株(1株あたり1香港ドル)を発行することでお客様の会社を設立します。
会社は香港での登録住所が必要であり、且つ設立際に会社登記所に登録住所を申告しなければなりません。会社の会社設立証明書、商業登記証、会社印を登記住所に保管し、且つ規定されている費用を支払い、会社の登録を維持する必要があります。商業登記証は有効期限の約1ヶ月前に更新することができます。期限内に料金が支払われない場合は罰金が発生します。税務局は会社に対して法的措置を取り、商業登記料や罰金を回収します。
会社は取締役の再選、会計監査、配当について毎年株主総会を開催する必要があります。会社は毎年年次申告書を会社登記所に提出し、会社の株主資本、抵当、取締役、秘書役、株主、法定記録の保存場所等を説明する必要があります。年次申告書を期限前に提出しなかった場合、3,480香港ドル以下の罰金が発生します。年次株主総会は毎年、基準日から9ヶ月以内に開催する必要があります。会社は年次株主総会の開催の代わりに、特別決議を通過することが選択できます。その場合には、年次株主総会に完了しなければならない事項を他の決議を通じて完了する必要があります。
会計監査について、全ての会社は年次株主総会で監査人を委任しなければなりません。監査人は『職業会計師条例』の規定に該当し、会社から独立する必要があります。非公開会社は、監査済み財務諸表を年次株主総会の開催前に提出しなければなりません。会社は毎年、認証済み財務諸表の作成を会計士に委託する必要があります。最初の認証済み財務諸表は最初の基準日から9ヶ月以内に作成される必要があります。お客様の会社は香港で事業を行わない場合、啓源は利得税申告書及び雇用主支払報酬申告書のゼロ申告サービスが提供できます。