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中国外資系独資会社の設立のマニュアル(八) ‐ 董事と董事会

中国外資系独資会社の設立のマニュアル(八) ‐ 董事と董事会


1.
董事と董事会の職権

中国の会社法により、有限責任会社が設置する董事会(取締役会)の構成員は3~13人でなければなりません。但し、株主の人数が少ないまたは小規模な有限責任会社は、董事会を設置せずに執行董事1名を設置することができます。

董事会は株主総会に責任を負い、以下の職権を行います。

  • 株主総会の招集及び株主総会への職務執行状況の報告
  • 株主総会の決議の執行
  • 会社の経営計画及び投資計画の意思決定
  • 会社の年度財務予算案及び決算案の策定
  • 会社の利益配分方案及び欠損補填方案の策定
  • 会社の登録資本の増加または減少及び社債の発行に係る方案の策定
  • 会社の合併、分割、解散または会社形態の変更に係る方案の策定
  • 会社内部の管理機関の設置の意思決定
  • 会社の経理の選任・解任やその報酬に係る事項の意思決定、及び経理の提案に基づく会社の副経理や財務責任者の選任・解任やその報酬に係る事項の意思決定
  • 会社の基本管理制度の策定
  • 会社定款に規定されるその他の職権

董事会決議について、董事の議決権は1人1票です。

2.
董事の委任と変更

董事及び董事長(董事会を設置しない場合は執行董事)は会社の株主によって選出されます。通常、会社の董事長(董事会を設置しない場合は執行董事)は会社の法定代表者とします。

会社の董事、董事長または法定代表者が変更する場合、当該会社はその変更日から30日以内に工商行政管理部門に登記変更を提出しなければなりません。

3.
董事の要件

中国会社法第146条により、以下の各号のいずれかに該当する場合、会社の董事または高級管理職を務めることができません。

  • 民事行為無能力者または制限民事行為能力者(即ち、行為能力を有しない未成年者若しくは成年後見人または心身の故障により職務を適正に遂行することができない者)
  • 汚職、賄賂、財産の横領、財産の不正流用若しくは社会主義市場経済秩序の破壊により刑に処せられ、その執行を終わり、または執行を受けることがなくなったから5年を経過していない者
  • 法律の規定に違反して政治的権利を剥奪され、その執行を終わり、または執行を受けることがなくなったから5年を経過していない者
  • 破産手続き開始の決定を受けている会社若しくは企業の董事、工場長若しくは経理を務め、当該会社若しくは企業の破産に責任を負い、その破産手続きを終わったから3年を経過していない者
  • 法律違反により営業許可証を取り消され、解散命令を受けた会社若しくは企業の法定代表者を務め、その違反行為に責任を負い、その執行を終わり、または執行を受けることがなくなったから3年を経過していない者
  • 期日までに多額の債務の履行をしない者


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