『2004年英領ヴァージン諸島事業会社法』の改正
英領ヴァージン諸島(BVI)は、グローバルな税務情報の透明性、金融犯罪対策において主導的な役割を果たし、各機関が確立した国際標準に歩調を合わせ、一貫性を維持するために、『2004年英領ヴァージン諸島事業会社法』のいくつかの改正が2025年1月2日に発効した。
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株主名簿(Register of Members)
現在、BVIでは、BVI会社が登録代理人のBVI事務所に株主名簿の写しえお保管することのみが法律によって義務付けられている。今回の改正により、BVI会社は、設立後又は何らかの変更後30日以内に、会社登記所へ株主名簿を提出しなければならないことになった。既存の会社の場合は、改正案施行後6ヶ月以内に株主名簿を会社登記所へ提出しなければならない。
会社登記所への提出が必要だが、会社が自ら開示を選ばないかぎり、株主名簿は非公開のままだ。
上場会社とBVIファンドのみが、この新しい株主名簿の提出義務から免除される。
また、名義上の株主に対し、次の情報が株主名簿に含まれ、別途提供する必要がある。
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名義上の株主の氏名と住所
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名義上の株主が株主でなくなった日
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名義上の株主でなくなった日
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取締役名簿(Register of Directors)
最初の取締役名簿の提出期間は、会社設立後6ヶ月から15日に短縮された。
取締役登記簿の不正確な情報や記載漏れ情報の承認については、裁判所命令による承認を認める新しい仕組みが設けられた。
BVIで取締役サービス許可書を持っている者が会社の取締役を務める場合、BVI会社は当該者の情報も提出しなければならない。
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実質的支配権(Beneficial Ownership)
実質的支配者の新しい定義は次の通りだ。
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BVI会社の株式又は議決権の10%以上を直接又は間接に保有している者
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BVI会社の取締役の過半数を任命又は解任する権利を直接又は間接に保有している者
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BVI会社の管理を支配する者
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現在のようにBOSSポータルを使って実質的支配者の情報を提出する代わりに、BVI会社設立後又は何らかの変更後30日以内に会社登記所へ実質的支配者の情報を提出しなければならないことになった。
上場会社とBVIファンドのみが、この新しい実質的支配者の情報の提出義務から免除される。
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外国法下での継続
BVI会社がBVIから他の国・地域に移転する場合、今回の改正により、BVI会社の取締役が次の事項を確認するために、会社登記所へ申告書を提出しなければならないことになった。
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会社は、全ての管轄機関から書類又は情報の提出の要請を受けていないこと。
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会社又は会社の資産に関する管財人を任命していないこと。
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会社は、会社自体、又は会社の株主、取締役、高級管理職、代理人に対し、会社の事業に直接関連する未解決の訴訟を認識していないこと。
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お客様は、現時点では直ちに行動をする必要はありません。今後、最新情報がありましたら、提供します。