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カリフォルニア州企業実体名称条例の解説

カリフォルニア州企業実体名称条例の解説

米国カリフォルニア州では、新しい会社に名前を付けるのは簡単ではありません。今回は、「カリフォルニア州企業実体名称条例」(California Code of Regulations Title 2, Division 7, Chapter 8.5 Business Entity Names)を解説していきます。

使用予定の会社名は正確な会社種類識別符号を含めなければならず、かつ英文字、アラビア数字(0、1、2、3)、符号又はそれらの組み合わせによって構成されなければなりません。これからは、株式会社及び有限責任会社の規定について詳しく解説します。

株式会社

  1. 株式会社の使用予定の会社名が既存のカリフォルニア州株式会社の名称と重複し、または極めて似ている場合、カリフォルニア州州務長官は当該名称の使用申請を承認しません。 

  2. 株式会社の使用予定の会社名が既存のカリフォルニア州株式会社の名称と比較的似ていて、かつ既存の会社からの当該名称の使用に関する同意書を取得した場合、カリフォルニア州州務長官は当該名称の使用申請を承認するかもしれません。

  3. 株式会社の使用予定の会社名は、公衆に誤認を生じさせる可能性がある場合、カリフォルニア州州務長官は当該名称の使用申請を承認しません。

注意:

  1. 重複しまたは極めて似ていること:次のような場合には、使用予定の会社名は既存のカリフォルニア州株式会社の名称と重複し又は極めて似ているとみなされます。
    (1)予定の会社名は既存の会社名と完全に一致すること。
    (2)予定の会社名と既存の会社名の違いは、大文字または小文字を使うこと、上付き文字または下付き文字を使うこと、「and」または「&」を使うこと、所有格「‘s」又は複数形を使うこと、異なる冠詞(例:“a,” “an,” “the”)又は接続詞(例:“and,” “&,” “or”)を使うことです。
    (3)予定の会社名と既存の会社名の唯一の違いは、会社種類識別符号を追加・省略することです。
    (4)予定の会社名と既存の会社名の唯一の違いは、独自の書体、標点、符号またはスペースを追加・省略することです。
    (5)予定の会社名と既存の会社名の唯一の違いは、数字または字母で同じ数字を表示することです(例えば、7とseven)。 

  2. 比較的似ていること:次のような場合には、使用予定の会社名は既存のカリフォルニア州株式会社の名称と比較的似ているとみなされます。当該名称で登録したければ、既存の会社の同意書を取得する必要があります。

    (1)次のような場合を除く、予定の会社名が既存の会社名と重複し又は極めて似ていると定義されます。
    (a)数式又はコンパス方向を追加・省略すること。
    (b)会社名の最初、最後または会社種類識別符号をの前に地名を追加・省略すること。
    (c)「holding」または「holdings」という文字を追加・省略すること。

    例えば、Johnson Products, Inc.はJohnson Products of California, Inc.と比較的似ていると判定されました。


    (2)予定の会社名と既存の会社名の唯一の違いはInternetという接尾辞を追加したことである場合、名称が比較的似ていると判定され、既存の会社の同意書を取得しない限り、継続して登録することができません。当該接尾辞とは、「.com」、「net」または「org」を含みますが、これらに限りません。例えば、Grandma’s Cookies.Com はGrandma’s Cookies, Inc.と比較的似ているとみなされます。

  3. 公衆に誤認を生じさせる可能性があること:次のような場合には、使用予定の会社名は公衆に誤認を生じさせる可能性があるとみなされます。
    (1)予定の会社名は、それが政府機関であることを誤って暗示すること。
    (2)予定の会社名は、会社の種類を誤って暗示すること。例えば、非専門会社は「PC」で終わる会社名を使うと、公衆に誤認を生じさせるとみなされます。
    (3)予定の会社名は、その設立が実際に従う法律・法規を誤って暗示すること。
    (4)予定の会社名は、会社の目的が保険業者であることを誤って暗示すること。
    (5)非営利共益法人の会社名の最後に、または会社種類識別符号の前に「慈善基金会」又は「基金会」などの文字を追加すること。

有限責任会社

  1. 有限責任会社の使用予定の会社名がカリフォルニア州のシステムに登録されている既存の有限責任会社の名称と区別できます。

  2. 使用予定の会社名は公衆に誤認を生じさせる可能性がある場合、カリフォルニア州州務長官室は当該名称の使用申請を承認しません。

注意:

カリフォルニア州のシステムに登録されている既存の有限責任会社の名称と区別できること:使用予定の会社名は以下の場合に一つ以上該当すると、既存のカリフォルニア州有限責任会社の名称と区別できないとみなされます。

(1)予定の会社名と既存の会社名の唯一の違いは、会社種類識別符号を追加・省略することです。例えば、DREAM LLCとDREAM LIMITED LIABILITYは区別できない名称とみなされます。
(2)予定の会社名と既存の会社名の違いは、大文字または小文字を使うこと、上付き文字または下付き文字または数字を使うことです。
(3)予定の会社名と既存の会社名の違いは、独自の書体、標点、符号またはスペースを追加・省略することです。例えば、A B C LP, AB C LP, A.B.C. LLLPとA-B-C LLLPは区別できないとみなされます。
(4)注意すべき点としては、予定の会社名と既存の会社名の唯一の違いがスペースを追加・省略することである場合、当該スペースを追加・省略した後に単語の意味が変わると、予定の会社名は既存の会社名と区別できると判定されます(例:Got Ham LPとGotham, LP)。

注意すべき点としては、上記の条例に係る状況と例は全部のケースではなりません。また、州務長官の会社名が基準に満たすかどうかを確定する時の裁量権の行使は、これらの条例に制限されません。カリフォルニア州州務長官は会社名の使用申請に対する最終決定権を持っています。

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