外国人留学生FICA税還付ガイド
米国内国歳入庁の規定に基づき、雇用主と給与を受け取る被雇用者は両者とも内国歳入庁(IRS)にFICA税(社会保障税と医療保険税)を納付する必要があります。但し、F-1学生ビザで米国に一時的に滞在している非移民である外国人留学生は、FICA税の免除を受けられます。本稿では、誰がFICA税の免除を受けられるか、FICA税還付申請の方法について詳しく説明しています。
F-1ビザを保持し、かつ非移民という身分を持っている外国人留学生は、米国に5年未満滞在している場合には、外国人非居住者(Non-resident Aliens)とみなされます。当該身分の者はFICA税(社会保障税と医療保険税)を納付する必要がありません。当該税金の免除は、外国人非居住者とみなされ、かつCPT(Optional Practical Training)またはOPT(Curricular Practical Training)に参加している外国人留学生にも適用されます。注意すべき点としては、F-1ビザを保持している非移民である留学生は、米国に5年以上滞在していれば、外国人居住者(Resident Aliens)とみなされ、FICA税を納付することが義務付けられます。
現在、従業員によるFICA税への総拠出率は7.65%になります(社会保障税6.2%と医療保険税1.45%を含む)。社会保障税拠出について、給与に上限額が設定されており、2020年の給与上限額は137,700ドルとなります。上限額を超えた部分の金額に対しては社会保障税を支払う必要がありません。一方、医療保険税拠出については、給与に上限額が設定されていません。収入の高い者は、年収が20万ドルを超えた場合、医療保険税に対し0.9%の追加税を支払う必要があります。
源泉徴収票(Form W-2)のBox4で社会保障税の源泉徴収税額、Box6で医療保険税の源泉徴収税額を記載することができます。給与からFICA税を源泉徴収された金額が間違った場合、まず源泉徴収を行う雇用主と連絡を取って、税還付を受けるべきです。もし間違って多く源泉徴収した税額は雇用主から還付されれば、その後の措置は不要となります。
雇用主がFICA税の還付を行えない場合、雇用主に税還付拒否に関する声明書を提供することを要求できます。雇用主による声明書を取得できない場合、自己声明書に当該情報を記載し、且つ雇用主声明書を提供できない理由を説明しなければなりません。
IRSにForm 843とForm 8316を提出することで間違って多く納付した税金の還付を要求できます。以下の書類を準備する必要があります。
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記入済みのForm 843(税還付または罰金減免の申請書)
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記入済みのForm 8316(F・J・Mビザの身分で間違って納付した社会保障税の還付を要求する情報シート)
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FICA税額が間違って源泉徴収されたことを証明するためのForm W-2のコピー
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ビザのコピー
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Form I-94のコピー
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CPT又はOPTの合法的な身分を証明するためのForm I-20のコピー(適用される場合)
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合法的に就労できる身分を証明するためのEADカードのコピー(適用される場合)
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雇用主から税還付を受けていないことを説明するための書面による声明
上述の書類が準備できたら、書類の印刷、サイン及び書類への日付明記をしてから、当該書類をIRSの事務所(雇用主がForm 941を提出した住所と一緒)に郵送することができます。処理部門が違うので、FICA税還付の申請書類と連邦所得税申告書を分けて郵送する必要がありますのでご留意ください。