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香港オフショア会社設立のマニュアル

香港オフショア会社設立のマニュアル

  1. 概要

    低い税率、外貨管理なし、政治や経済の安定、設立手続きの簡単のため、香港はオフショア会社の設立において最も人気のある地域になっています。香港においてオフショアバンキング、国際貿易、投資、資産保護を行うには、オフショア会社の設立が最適な方法です。

    本稿は香港会社の優位性、香港オフショア会社設立の方法、要件、手続きについて説明します。

  2. 優位性

    香港においてオフショア会社を設立する理由は主に以下の通りです。

    2.1   簡単な設立手続き

    香港は世界で最もビジネスをしやすい地域の1つです。香港において会社を設立することは非常に簡単であり、官僚主義及び不必要な慣行もありません。さらに、香港会社の所有権が外資に対して有利であるため、外国会社は香港会社の株を100%保有することができ、設立が政府の許可も必要ありません。

    2.2   優遇の税制

    香港は世界で税率が最も低い地域の1つです。税制が簡単のため、オフショア会社の設立に対しては有利です。香港は法人税率が16.5%であり、且つ付加価値税、消費税、相続税、配当金の源泉所得税が課されません。さらに、香港以外の場所の所得は香港に納税する必要がありません。香港には外貨管理もありません。従って、香港オフショア会社は海外から得た利益に対して香港に納税する義務がありません。これは香港会社の最大の優位性の1つです。

    2.3   政治や経済の安定

    政治はビジネス環境と直接関連しています。香港は中国の特別行政区ですが、独自の政治、経済、司法制度を保有しています。政治経済リスクコンサルタンシー(PERC)が実施した最近の調査によると、香港の司法は優れており、アジアにおいて第2位の行政体系になっています。

    2.4   信頼度の高いイメージ

    香港はタックスヘイブンとよく見なされています。実際、香港はタックスヘイブンではなく、税率の低い地域にすぎません。これは経済協力開発機構(OECD)によっても認められています。香港の税務情報の交換も国際基準に該当しています。従って、香港オフショア会社は否定されたり疑われたりすることはありません。

  3. 設立方法

    方法は以下の2つの選択肢があります。

    3.1   新規会社の設立

    ご希望の会社名で会社を設立しようとする場合、新規会社を設立することができます。お客様がご希望の会社名を当事務所に提供するだけで、当事務所は残りの手続きを手配します。香港会社は設立が簡単であり、一般的に1週間以内に完了できます。

    3.2   既存会社(シェルカンパニー)の購入

    会社名が重要でならず、時間が厳しく、新規会社の設立が待ちきれない場合、香港の既存会社を購入することができます。既存会社とは、既に香港において法により設立された会社であり、資産及び負債を持っていません。既存会社を購入した後、自由に会社名を変更したり、増資を行ったり、取締役・株主・秘書役を委任したり、登録住所を変更したりすることができます。通常、既存会社の購入を選んだのは緊急に事業を行う必要があり、又は香港の会社登録番号が緊急に必要な会社です。数ヶ月又は数年に存続している会社は企業の歴史を表し、会社の利益関係者に長期間存続のイメージを与えることができます。但し、既存会社を購入する費用は新規会社の設立より高いです。

  4. 設立要件

    4.1   会社名

    香港オフショア会社の設立前、会社名は会社登記所の承認を取得されなければなりません。

    4.2   取締役

    (1)   1名以上の取締役が必要です。
    (2)   取締役の最大人数が制限されていません。
    (3)   自然人又は会社であることができます。
    (4)   香港の居住者又は非居住者であることができます。
    (5)   国籍が制限されていません。
    (6)   名義取締役が認められます。

    4.3   株主

    (1)   1名以上の株主が必要です。
    (2)   株主の最大人数が50人です。
    (3)   自然人又は会社であることができます。
    (4)   香港の居住者又は非居住者であることができます。
    (5)   国籍が制限されていません。
    (6)   名義株主が認められます。
    (7)   外国人又は外国会社が会社の株を100%保有することが認められます。
    (8)   唯一の取締役が株主を兼任できます。

    4.4   会社秘書役

    (1)   法により1名の秘書役が必要です。
    (2)   香港の自然人又は香港会社であることができます。
    (3)   唯一の取締役が秘書役を兼任できまません。

    4.5   登録住所

    香港会社の登録住所は香港のレンタル住所が必要であり、且つ郵便箱であることができません。

    4.6   株主資本

    (1)   全ての株主資本が会社の銀行口座に払い込む必要があります。
    (2)   無記名株式が認められません。

    4.7   税務

    香港源泉所得のみに対して所得税を納付する必要があります。法人税率が16.5%です。海外から得た所得は香港で課税されません。

    4.8   維持

    会社は香港会社の維持要件を遵守しなければなりません。維持要件には、会社の帳簿を監査したり、会社やそのメンバーの変更を会社登記所に申告したり、年次申告書を会社登記所に提出したり、納税申告書を税務局に提出したり、年次株主総会を開催したり、社内文書や会計証憑を保存したり、商業登記証を更新したりすること等が含まれます。

  5. 設立手続き

    香港オフショア会社の設立手続きは以下の通りです。

    5.1   類似商号調査

    会社登記所に設立書類を提出する前に、予定の会社名が既存会社の名称と一致又は類似することを避けるために、類似商号調査を行う必要があります。

    5.2   会社設立書類の提出

    類似商号調査を完了した後、以下の書類を準備し、香港の会社登記所に提出します。

    (1)   香港会社登記申請書
    (2)   香港オフショア会社の定款

    会社登記所は以上の書類を受領した後、審査します。書類が条件に合致している場合、会社登記所は会社設立証明書(Certificate of Incorporation)及び商業登記証(Business Registration)を発行します。

    香港オフショア会社の設立後、会社の取締役は会社の銀行口座開設を申請することができます。口座開設申請について、ほとんどの銀行は1名以上の取締役が口座開設の会議に出席することを要します。

関連資料:
香港会社設立の手続きと費用

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