中国への投資
中国の「外商投資法」、「外商投資参入特別管理措置(ネガティブリスト)(2020年版)」(以下「2020ネガティブリスト」という)及び「自由貿易試験区の外商投資参入特別管理措置(ネガティブリスト)(2020年版)」(以下「2020自貿区ネガティブリスト」という)が2020年に相次いで施行されることに伴い、外国人の中国への直接投資はますます容易且つ便利になっています。
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外資参入
2020ネガティブリスト及び2020自貿区ネガティブリストには、中国によって禁止・制限されている業種が挙げています。前のバージョンと比べて、上記の2つのネガティブリストは、外商投資の参入規制をさらに縮小しました。主な変更点は以下の通りです。
金融分野では、証券会社、証券投資基金管理会社、先物会社、生命保険会社の外資比率の制限は撤廃されました。
インフラ分野では、人口50万人以上の都市の給排水管網の建設・運営が中国側の持分支配とする規定は撤廃されました。
交通輸送分野では、航空交通管制への外商投資を禁止する規定は撤廃されました。
製造業分野では、商用車の製造における外資比率の制限は撤廃され、放射性鉱物の製錬・加工及び核燃料の生産への外商投資を禁止する規定は撤廃されました。
農業分野では、小麦の新品種選択・栽培育成及び種子生産を中国側の持分支配とする規定は中国側構成員の割合が34%下回らないことに緩和されました。
医薬分野では、自由貿易区で漢方錠剤への外商投資を禁止する規定は撤廃されました。
教育分野では、自由貿易区で外商独資による学制類の職業教育机関の設立は認められました。
中国国家発展及び改革委員会及び商務部は定期的に新しいネガティブリストを発表します。新しいネガティブリストは外国人投資の市場参入をさらに緩和すると予想されます。
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外商投資企業の設立手続き
中国において外商投資企業を設立する手続きは基本的に以下の通りです。
(1) 類似商号調査と商号予約申請
(2) 設立登記
(3) 最初の外商投資報告書の提出
(4) 印章作成
(5) 人民元基本口座の開設
(6) 外貨登記の申請
(7) 資本金口座の開設
外商投資企業が経営する事業は、中国の関連法の規定によりライセンス・許可の別途申請が必要な場合、その事業を展開する前に相応するライセンス・許可を取得する必要があります。