香港の利得税-企業支出の控除・猶予
一般的に、納税者が課税所得を得るために支払う全ての支出(資本的支出を除きく)は控除できます。下記の企業支出は対応する控除・猶予措置があります。
寄付
公的慈善団体、公的慈善信託又は香港特別行政区政府への寄付金は控除できます。寄付金は合計100香港ドル以上が必要であり、寄付金を控除しない調整済み課税所得の35%を超えてはなりません。
固定資産の減価償却
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工業用建物・構造物:初年度控除額は建設費の20%であり、その後の年度の控除額は建設費の4%です。所有権変更の際に差額償却(Balancing allowance)又は差額賦課(Balancing charge)となります。
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商業用建物・構造物:毎年の控除額は建設費の4%です。所有権変更の際に差額償却又は差額賦課となります。
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工業機械設備:初年度控除額は購入価格の60%であり、その後の年度の控除額は減価(reduced value)に基づいて計算されます。同じ償却率の資産は同一のグループに分類され、償却率はそれぞれ10%、20%、30%です。納税者が事業を終了し、当該事業の相続人がいない場合、差額償却となります。全ての年度に、1つ又は複数の資産の売却益は当該資産が属するグループの減価の総額を上回る場合、差額賦課となります。
建物の修繕費
全ての者が商業ビルの修繕、改修により発生した資本的支出は、実際に支払われる査定年度から5年間で均等に控除することができます。
製造業に使用される工業機械設備の購入費用、及びコンピューターのハードウェアやソフトウェアの購入費用
上記の費用は発生する査定年度に全額控除することができます。
環境保護設備の購入費用
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環境保護機械:購入費用は発生する査定年度に全額控除することができます。
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環境保護装置:2018/19課税年度から、購入費用は発生する査定年度に全額控除することができます。
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環境保護車両:購入費用は発生する査定年度に全額控除することができます。
研究開発費
2018年4月1日から、企業が香港で行う研究開発活動の支出は控除を適用し、100%控除可能なタイプA及び超過控除ができるタイプBに分けられています。支出がタイプBに該当する場合、研究開発活動の支出の最初の200万香港ドルは3倍の控除ができ、200万香港ドルの超過分は2倍の控除ができ、且つ上限が設定されていません。
データソース:香港税務署ウェブサイト
https://www.ird.gov.hk/chs/tax/bus_pft.htm#a06
https://www.ird.gov.hk/chs/ppr/archives/18110201.htm